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ドラッカーの生態的ニッチ戦略 から 藤屋式ニッチ戦略へ


事業戦略 セミナー
前回、ドラッカーの著書『マネジメント』を、すべて「生態的ニッチ戦略」の観点から読み直していることをお伝えしました。

1,400ページを超えるぶ厚い『マネジメント』を読み込むだけでありません。

『マネジメント』をベースに、他の研究者の経営戦略論、たとえば、ブルーオーシャン戦略(非競争の市場を開拓する)、カテゴライズ(カテゴリーキラーになる戦略)、競争しない競争戦略論、ブランド戦略などの要素を部分的に取り入れてまとめ直しています。

また、経営戦略ではありませんが、生態的ニッチ戦略を主要テーマにすることから、ダーウィンの『種の起源』も読みました。変異・生存闘争・淘汰など、地理的分布などの興味深い内容が満載でした。

特に変異については、経営に取り入れることが可能だと感じました。
人間だけが、意志を持ち、意図的に変異を起こせるからです。

しかも、他社がマネしたがらない(参入障壁になる)業界の異常識・非常識な状況を創り出せるからです。
 
 
また、生態的ニッチも、生物学としてのニッチ(適所:安心・安全に生活できる空間・場所である「巣」のようなところ)という観点から、

「適所とは、生存可能な環境であることを前提に、『棲み分け』と『食い分け』が可能な場所・空間(市場)」

と定義したとお伝えしました。
 
 
 
ドラッカーの生態的ニッチ戦略をベースにしているとはいえ、ドラッカーの生態的ニッチ戦略そのものではなくなったため、【藤屋式ニッチ戦略】と呼ぶことにしました、とも記しました。
 
そこで、【藤屋式ニッチ戦略】とは何か、を改めてご説明します。
 
藤屋式ニッチ戦略は、「適所で繁栄するための経営戦略」です。

その定義は、

「自社の強みを活かせる生態的ニッチ(適所:非競争の独占市場)となるように、他社との棲み分け・食い分けで高収益の独自市場を創り出し、維持・発展させる中長期的な事業への取り組み」

としています。
 

◆ドラッカー式ニッチ戦略 から 藤屋式ニッチ戦略 に移行
 
弊社の始めの頃の事業のコンセプトは、【ドラッカーのマネジメント(経営)】でした。

次に、対象市場を中小企業に絞り込んだことから、事業のコンセプトも、【ドラッカーのニッチ戦略】に絞り込みました。
しかし、ニッチ戦略の一般的なイメージは「すき間戦略」です。
これを「正しいニッチ戦略は、すき間戦略ではなく、適所戦略です!」と、声を大にして言っても、費やすエネルギーの割に、成果は少ないと判断しました。

そこで、ドラッカーの『イノベーションと企業家精神』の表現である【生態的ニッチ戦略】としました。
一般的なニッチは、「岩場のすき間」が言葉の由来です。
一方、ドラッカーのニッチは、生物学の「生態的地位」(エコロジカル・ニッチ)からきています。

この【ドラッカーの生態的ニッチ戦略】を、さらに分かりやすく、実践的にするための、他の経営理論の良いところを取り入れて再構築したのもが【藤屋式ニッチ戦略】です。
 

ところで、進化論では、

「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである」

とされています。
しかし、これはダーウィンが残した言葉ではありません。
後世の誰かが、もっともらしく作った文章です。


『種の起源』(進化論)を書いた科学者としてのダーウィンの主張は、「結果として、生き残ったものは変異が環境に適応したから」となります。

したがって、「適者生存」は結果論であって、現在を生き抜く経営者にふさわしい言葉ではありません。
そこで、適所を創り出して生きる「適所生存」という造語をつくってみました。
しかし、「生存」が「生き残り」というニュアンスがあります。

マイナーなイメージを避けるために、「適所を創り出して繁栄する」という意味で、【適所繁栄】という造語をつくりました。
これだと、前向きな経営者にぴったりくる言葉だと思います。
つまり、藤屋式ニッチ戦略は、適所繁栄の経営戦略なのです。
 
では、藤屋式ニッチ戦略は、中小企業だけの経営戦略?
いえ、違います。
 
それは、・・・
 
 
=つづく=


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2019/10/01

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