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ニッチの法則その1:環境認識


SWOT分析に問題あり

経営には内部環境と外部環境があります。
経営環境を認識する際に、内部環境を強みと弱み、外部環境を機会と脅威に分類するのがSWOT分析です。
一見、当たり前、問題ありそうにもないこの分析方法のどこに問題があるのでしょうか?
それは、現在の状況や一般論を基準にして分析する傾向があるからです。

人は一度、「〇〇は××だ」と定義する(決めてしまう)と、その定義に縛られる傾向があると、前回、記述しました。
そのうえ、事象を分類するときには、よほど優秀な人、訓練を受けた人でない限り、現在の状況や一般論(常識)で判断します。
そもそも、現在の状況や一般論で考えたことをベースにして、独自化が図れるでしょうか?
そのような分析をもとに立てた戦略や経営計画では、レッドオーシャン(過当競争で儲からない市場)で苦闘するのが当然の帰結です。
現状を変えたいから戦略をつくります。現状を変える必要がなければ行動スケジュールだけを作ればよいのです。
では、どのように考えれば、現状を変えられる環境分析になるのでしょうか?

内部環境のすべてが強み、外部環境のすべてがチャンス

たとえば、ほとんどの中小企業がSWOT分析する場合、AI化やIOT化を脅威に分類するのは、現在、その対応ができていないからです。
しかし、これを機会に分類し、どう対応すればよいかを考えます。しかも、自社だけの能力、強みだけでなく、外部との連携によって機会に転換できないかを模索します。
そして、どうしても機会に転換できないときにのみ、脅威に移し、その脅威を避けるための方法を考えればよいのです。 同じように、社内のことはすべて強みに分類します。あるいは、改善のチャンスととらえます。
現在は弱みだけど、〇〇が手に入れば強みに転換できる。それをどのようにして入手するか?
自社で開発や育成するか? 他社と連携するか? 外注するか? 専門家に依頼するか? 

そして、どのように考えても、解決策を見出せないときに弱みに移します。そして、弱みの克服方法を考えます。
上記のステップと、最初から弱みに分類する方法は、同じように感じるかもしれません。しかし、物事を考えるときに、強みと弱みでは、基本的なスタンスが違ってきます。
弱みは克服しても通常の状況に戻るだけですが、強みに転換できると独自化の武器になります。

以上のような考え方で、経営環境を認識すると、見えなかったチャンスが見えるようになります。それが、ニッチ戦略への第一歩です。

2019/09/17

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