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ドラッカーの視点:弱みをチャンスに変える
オセロゲーム
オセロゲームでは、相手を挟めば自分の色に変えることができます。そうすれば、味方と敵の勢力図は、当方+1、相手-1となり、2の違いになります。この項のマイナスをチャンスに変えるとは、オセロゲームと同じ発想です。このビジネス・チャンスを見つけることができると、業績が2倍良くなります。視点を変えれば見えないものが見えてくる
多くの経営者は、自社の弱みや産業の不経済性などについて認識しています。そして、「なんとかできるものなら、すでに手を打っている。どうしようもないから放置しているのだ」と言います。では、本当にそうでしょうか。ここに面白い事例があります。蚤(のみ)のジャンプ力は、自分の体の何倍にも達します。しかし、ガラスの蓋(ふた)をして、何度もガラスにぶつかっていると、ガラスの蓋を外しても蓋があった高さを超えてジャンプすることはないそうです。
また、小象を杭につながる鎖につないでおくと、初めははずそうと懸命に努力しますが、それがムダだとわかるとあきらめてしまい、その後は、鎖につなぐと、鎖の長さの範囲内でしか動こうとしなくなります。それは、成長して、杭を引っこ抜ける力がついても同じだというのです。
企業活動における「弱み」「アンバランス」「脅威」に対する私たちの認識も、同じようなものではないでしょうか。
人も蚤や小象と同じように既成概念をもっていますが、その既成概念を取り払うことができると、思わぬビジネス・チャンスを手に入れることができるようになります。これがドラッカーのマーケティング思考法の1つであり、ニッチ戦略にも活かせます。
次回から、「弱み」「アンバランス」「脅威」の順に、それぞれのチャンスへの転換方法を1つずつ考えていくことにましょう。
2019/09/11