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ニッチ市場を見つける着眼点:強者の既存の利益に反することをする


強者のジレンマを突く

確固たる基盤をもつ事業では、その事業を脅かすような新たな方法を取り入れることはできません。いわゆる「イノベーションのジレンマ」(現在、イノベーションの大家と言われているクレイトン・クリステンセンの造語)というやつです。ドラッカーではゲリラ戦略と呼んでいます。

イノベーションのジレンマとは、新しい技術などに基づく商品が開発されても、既存の利益に反するため、その商品を取り入れることができない状況を言います。

たとえば、生命保険業界で、日本生命など強力な人的営業網を確立している会社は、それを否定するようなインターネット販売には、本格的に入っていけません。

ネットに入っていけない弱みを突いたのがライフネット生命です。同社は、日本生命などの大企業が人的営業網にかける費用を公表して、ネット販売の低価格という優位性を打ち出しています。

なお、東日本大震災では、人的営業網の良さも見直され、価格優先か、対応優先かは、顧客の選択基準によることが証明されました。

いつかは追われる立場になる

業界の市場シェアトップの企業は、必ず絶対的な強みをもっています。しかし、その強みを維持強化するために、手を出せない領域(弱み)も合わせもっています。山高ければ谷深しです。そこを突けば、非競争の事業を展開することも可能になります。

ただし、その新たなビジネス・モデルに追随してくる企業が必ず現れます。そうすると、今度は追われる立場になることを想定したビジネス・モデルを、あらかじめつくっていなければ、後続者のために市場を開拓しただけの企業で終わってしまいます。

2019/09/09

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