ブログ
ドラッカーのイノベーション思考法
イノベーションはマーケティングとセットで行なう
技術者の多くは、自分や自社に興味がある技術を開発し、それがどのような商品開発につながるかを考えようとします。プロダクトアウト的なプロセスですから、ヒットする確率が天文学的に下がります。
このようなプロセスでイノベーションを起こそうとしても、報われない努力で終わる可能性が高くなります。
したがって、イノベーションはマーケティングとセットで取り組まなければなりません。
さらに言えば、事業戦略に基づくものでなければなりません。
と言うのも、イノベーションは改善・改良と違い、今までなかったものに取り組むものです。
それには、相応の時間・期間を要します。
また、一発で成功できるイノベーションもほとんどありません。
したがって、中長期的な視点の事業戦略に基づき、マーケティングの対象となる顧客の「満たされていないニーズ」を特定して取り組んでください。
このように焦点が定まれば成功する確率も飛躍的に高くなります。
イノベーションは技術開発ではない
ドラッカーは「イノベーションは技術用語ではなく経済用語だ」と言います。たとえば、日本の明治維新と第二次世界大戦後の発展は、技術開発に基づくものではなく、社会的なイノベーションに取り組んで成果です。
明治の日本は、技術は輸入に依存して社会的な制度改革に取り組みました。
鉄道やもろもろの機械は欧米のものをそのまま使用できますが、それを動かす社会的な仕組みや人材育成は日本独自のものを構築しなければなりませんでした。
そちらのほうに資源を集中したおかげで、明治の日本経済は、驚異的なスピードで欧米の先進国に近づくことができました。
それをしなかったインドや中国は、日本と同じ技術環境を使えたにもかかわらず、経済発展を遂げることができませんでした。
もっとも、当時から認字率においては世界でもトップクラスだったなど、対応できる人材が多数いたなどの基礎的要件が整っていたことも大きな理由になっていました。
また、第二次世界大戦後の日本は、これとまったく同じ方法で、奇跡的な復興を遂げました。
世界の教育を劇的に変えたのは教科書の発明でした。
これには編集能力を要しましたが、技術開発と呼べるものではありませんでした。
それまで、数人、多くても一度に十数人を教えるのが精いっぱいだったのが、教科書のおかげで数十人、数百人教えることが可能になりました。
ドラッカーの事例では、アラスカに冷蔵庫を、食べ物を凍結させない機器として売る話が出てきます。
物理的には冷蔵後ですが、商品のコンセプト、使用方法まったく異なります。
これも新商品と同じ効果があり、イノベーションだというのです。
このような思考法は、【藤屋式ニッチ戦略塾】で修得することができます。
5月から新しいクールに入ります。
お試し価格で体験できます。
詳細とお申し込みはここをクリックしてください。
2023/04/04