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ニッチ戦略と差別化戦略


競争を前提にする差別化戦略

差別化とは、競争することを前提に、他と違う特徴(価値、魅力)を持つことです。
大きな市場には、競争相手が必ずいますので、特徴がなければ買ってもらえません。
仮に買ってもらえたとしても、他社と同じような商品なので、選択基準が価格になってしまいます。
ですから、競合商品と違う特徴を持つか、違う売り方をしなければなりません。
それが差別化戦略です。

ニッチ戦略と藤屋式ニッチ戦略

一般的に、ニッチ戦略は「すき間戦略」だと思われています。
しかし、藤屋式ニッチ戦略は、ドラッカーのニッチ戦略をベースにしており、その真意は「生態学的ニッチ戦略」(エコロジカル・ニッチ)のことです。
つまり、強い生存競争相手との「棲み分け」を意味しています。
しかし、「ニッチ戦略=すき間戦略」という認識が浸透しているビジネス社会で、「ニッチ戦略=生態学的ニッチ戦略」と言っても、なかなか理解してもらえません。
そこで、「ニッチ戦略=すき間戦略ですが、藤屋式ニッチ戦略は生態学的ニッチ戦略です」と言うようにしました。

競争を前提にしない藤屋式ニッチ戦略

「藤屋式ニッチ戦略=こだわりの市場」ととらえれば分かりやすいでしょう。
相対的に少数の人たちに、熱心なファンになって頂くと、高収益の事業になります。
ただし、熱心なファンになって頂くためには、魅力的な商品、魅力的な提供方法のどちらか、あるいは、両方が必要になります。
それを実現する「強み」も不可欠です。
どのような市場でも、市場規模が小さければ大企業は参入してきません。
また、一見、儲かりそうになかったり、業界では非常識と思われていたり、面倒くさそうな仕組みであれば、中小企業も参入してきません。
このように、他社と競争しない戦略が生態学的ニッチ戦略、すなわち、藤屋式ニッチ戦略なのです。

藤屋式ニッチ戦略=零細企業の戦略ではない

フェラーリは、高級スポーツカーというニッチな市場で、独自のポジション(地位)を構築しています。
売上高は31億0500万ユーロ(約3770億円)で、従業員は2,858人もいます。
しかし、数100万台以上が当たり前の自動車産業で、同社は年間9,000台弱しか売っていないので、自動車業界では超零細企業と言ってよいでしょう。
つまり、生態学的ニッチ戦略(=藤屋式ニッチ戦略)を採用するのは、相対的に小さな企業であって、零細企業とは限らないのです。
ちなみに、1台当たりの営業利益は、ポルシェは194万円、ベンツは62万円、BMWは58万円。
国内ではスバルがダントツで45万円、2位のトヨタが30万円。
それらと比べて、フェラーリは、1,000万円超という桁違いの利益率を誇っています。
これが、生態学的ニッチ戦略(=藤屋式ニッチ戦略)の魅力です。

相対的にニッチな市場でブランディングすると高収益になる

フェラーリは、中小企業が創造的に模倣すべき企業です。
限定的な熱狂的なファン(顧客)を獲得すれば、非競争の世界に入れます。
多くのファンを獲得するには、多様な魅力が必要ですが、少ないファンでよければ、たった一つでも、飛びぬけた魅力があれば十分です。
中小企業のブランディングは、少数のファンに「〇〇だったらA社さんだね」と言って頂くようになることです。
あなたも、ぜひ、藤屋式ニッチ戦略を使ってブランディングし、目立たないけれど高収益の事業を確立してください。
ちなみに、私は、「ニッチ戦略なら藤屋」を言ってもらえる(ブランディングできる)ように尽力します。

2019/09/20

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