すでに起こった未来:他の産業、他の国、他の市場で起こっている変化

創造的模倣はイノベーションの最善の方法

第3番目は「他の産業、他の国、他の市場で起こっている変化」です。

ビジネス・チャンスを見つける最良の方法は、他の産業や他国で起こっている他人の成功を創造的(ひと工夫して)模倣することです。

明治時代や昭和の高度成長期の日本は、欧米の成功を創造的に模倣して先進国になりました。

また、韓国、台湾、香港、シンガポール、そして今日の中国の急速な経済成長は、日欧米の技術やシステムを創造的に模倣することで実現しています。

マーケティングの大家であるセオドア・レビットは、「ふた口目のリンゴを齧(かじ)れ」と表現しています。これは、「他社にひと口目を齧らせ、おいしさを確認したうえで自分が齧れば、リスクが少ない商品を開発することができる」という意味です。

また、この創造的模倣のことを、経営学者の吉原英樹名誉教授は、「答えを見ながら答案を書く」と表現しています。ただし、答えを丸写しするのではなく、自分の市場に合うように、大きさ、質、デザイン、販売単位、価格、提供方法などをひと工夫する必要はあります。身の回りには、このように創造的に模倣して大ヒットした商品があふれています。