010 第二の起業家的な機能

ドラッカーの名言

企業は、単に経済的な財やサービスを供給するだけでは十分でない。
より優れたものを創造し供給しなければならない。
企業にとって、より大きなものに成長することは必ずしも必要ではない。
しかし、常により優れたものに成長する必要はある。

ドラッカー名著集『現代の経営(上)』より

解説

イノベーションは、「より新しいものに」が基本的な概念になります。

だからと言って、必ずしも技術開発や発明が伴うものではありません。
既存の技術で新しい商品を創り出すこともありますし、既存の技術と別の既存の技術で新しい商品やサービスを創り出すこともありますし、既存の商品の新しい用途を開発することでも実現できます。

また、イノベーションは、マーケティングと同じように、独立した存在と考えてはいけません。
技術や研究開発にもとづいた商品に限定されるものではなく、経理や商品管理、販売、流通ルートの開発など、会社のすべての部門・機能・活動に関わるものです。
規模的だけでなく、質的にも成長させる新しい価値ある(最終的に利益で計れる)何か、がイノベーションなのです。

中小企業での活用法

イノベーションもまた、経営の専門書に書かれているように難しくとらえる必要はありません。日常の仕事のなかで考えて取り組むべきものです。

中小企業でイノベーションに取り組む場合、創造的模倣が一番です。
とくに異業種の成功をひと工夫して取り入れると、画期的な商品やサービス、業務体制になることがあります。
つまり、既存の何かに別の何かをプラスして、新しい商品やサービス、仕組みを創り出すのです。

また、同業他社(したがって、競合先)を創造的に模倣する場合には、その商品を実際に使っている人の満足・不満足を確認しましょう。
多くの場合、100%すべてのことで満足している商品はありませんので、不満の一部に焦点を絞って(ニーズの細分化:ニッチ市場)改善した商品を出すと、利益が取れる商品になる可能性が大きいです。

大企業の商品開発で市場を開拓してもらい、そこで消費者・使用者から不満を集めて商品を改良したり、サービス体制を整えたり、売り方を変えたりすると、リスクが少ない新商品開発や新市場開拓が実現できます。もちろん、取り組むべきは自社の強みが活かせる分野にかぎります。