009 起業家的な二つの機能

ドラッカーの名言

企業の目的が顧客の創造であることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。
すなわち、マーケティングとイノベーションである。この二つの機能こそ、起業家的機能である。

マーケティングは販売よりもはるかに大きな活動である。それは専門化されるべき活動ではなく、全事業に関わる活動である。
まさにマーケティングは、事業の最終成果、すなわち顧客の観点から見た全事業である。

ドラッカー名著集『現代の経営(上)』より

解説

「買う」「買わない」の決定権を顧客が持っている以上、顧客が必要とするものを提供するのが会社の基本的な姿勢でなければなりません。
したがって、「顧客や市場が必要とするものを提供する」というマーケティング志向が必要になります。
具体的には、販売、流通、アフターサービスだけでなく、商品開発、商品設計、生産日程、在庫管理にもマーケティングに主要な役割を果たさせるのです。

なお、今日の経営環境では、マーケティング志向の必要性は、買ってくれる顧客だけにとどまっていません。
人口構造の変化により、優秀な人材を採用し、一生けん命に働いてもらうための「人材に対するマーケティング」が、ますます重要になってきています。
また、事業が成長するときと事業が低迷するときには資金需要が発生しますので、「金融機関に対するマーケティング」も必要になっています。

中小企業での活用法

中小企業の場合、マーケティングを難しく考える必要はありません。顧客や非顧客の「○○で困った!」や「☓☓をもっと△△にしたい」というニーズを知ることがマーケティングの基本になります。
また、そのニーズに対する他社の状況を知ることも、差別化の観点からマーケティングの大切な実務になります。
つまり、日常的に無意識にやっていることを意識的にやりさえすればよいだけです。いかがですか? どれも日常業務としてやれることばかりです。

中小企業の経営では、特別のことは必要ありません。経常利益率5%くらいまでは、マーケティング志向で「当たり前」と考えられることを、特別熱心にやれば差別化は図れ、利益をともなう売上増に結びついていきます。
ただし、当たり前のことに気づくには、訓練が必要になります。なぜならば、当たり前のことは習慣化しており、意識的に取り組むことはないからです。

人材に対するマーケティングについても、難しく考える必要はありません。自社が望む人材像が、入社してくれ、一生けん命に働いてくれるかを考えればよいのです。

そして、彼らが望む条件で現在実現できないものは、将来の約束としましょう。その将来を一緒につくっていく夢を語るのも経営者の仕事の一つです。

なお、金融機関に対するマーケティングも、人材に対するマーケティングの応用で十分です。ただし、「夢」の部分が「経営計画」に変わります。

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