「適正価格」と「適性価格」とは|意味の違いから学ぶ“価格の本質”と経営戦略
中小モノづくり企業の高収益化を支援している「ニッチトップ戦略」の専門家、藤屋伸二です。
私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略」を組み合わせた経営支援を通じて、350社を超える企業の「強みの覚醒」と「粗利益率の向上」に携わってきました。
また、ドラッカー関連の書籍を45冊執筆し、累計発行部数は225.9万部を超えています。
経営者の方と日々向き合う中で、最も多くいただく相談の一つが「価格設定」です。
- 値上げをしたいが怖い
- 価格を上げるとお客様が離れるのではないか
そう感じる経営者は少なくありません。
しかし、価格とは単なる数字ではなく、自社の“価値の定義”を映す鏡です。
つまり、「価格をどう決めているか」は、「自社をどう定義しているか」と同義なのです。
そこで今回は、生成AIの「ChatGPT」と「Gemini」に聞いた、「適正価格」と「適性価格」の違いを起点に、この2つの言葉が経営に示す本質を考えていきます。
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適正と適性の違い
まず、言葉の定義から整理しましょう。
- 適正とは、「適当で正しいこと」。
→ 社会的な基準や規範など、客観的な判断基準に基づいて決められるもの。 - 適性とは、「ある物事に対して、性質や能力が適していること」。
→ 個人の感覚や特性など、主観的な判断基準に基づいて評価されるもの。
つまり、「適正」は外の基準による“正しさ”、「適性」は内なる“フィット感”を表す言葉です。
適正価格と適性価格の違い
この違いを価格に置き換えてみましょう。
適正価格とは
客観的な基準に基づいて算出された「妥当な価格」です。
たとえば、原価・製造コスト・市場価格などを考慮して導き出されます。
適性価格とは
その商品に対して、「買い手が支払ってもよいと感じる価格」です。
ブランド価値・希少性・感情的満足度など、主観的な要素を含みます。
一般的に、適正価格よりも適性価格の方が高くなる傾向があります。
なぜなら、前者は「コスト」を基準にし、後者は「価値」を基準にしているからです。
適正価格と適性価格の使い分けの事例
この商品の適正価格は1万円ですが、適性価格は人によって異なります。
適正価格を維持することが重要ですが、顧客の適性価格を理解することも大切です。
適正価格と適性価格のギャップを埋めるために、マーケティング活動が重要になります。
原価、製造コスト、市場価格に客観性はあるか?
ここで考えたいのが、「原価」「市場価格」といった“客観的な基準”の正体です。
日本では、設備や道具といったハード面にはお金を払っても、ノウハウやスキルなどのソフト面にはなかなか対価を払おうとしません。
しかし、現代の競争力の源泉は“ハード”ではなく、“ソフト”です。
製品やサービスを差別化するノウハウ・スキルを培うには、長期的な経験・学習・人材育成といった“見えないコスト”が不可欠です。
それらを含まない「原価」は、客観的に見えて実は主観的な計算なのです。
適正価格から適性価格に移行する
日本の価格設定の背景にあるのは、発展途上国から先進国を目指した頃の国際競争力のコンセプト、「良いものを、より安く」が色濃く残っています。
しかし、すでに先進国になった今、このコンセプトは通用しません。
コスト競争力では、先進諸国からノウハウ・スキルを導入している発展途上国には敵わないからです。
にもかかわらず、「良いものを、より安く」を追い続けていることが、低賃金、国際競争力の低下をもたらしています。
こうした状況を是正して、中小企業が、本来、得られるべき利益を得られるように支援したいと考えています。
主宰している【藤屋式ニッチトップ戦略塾|グループコンサルコース】では、ほぼ、すべての塾生さんに「値上げ」を求めています。
その値上げ幅は、業界の常識を大きく上回る水準です。
それは、ほぼ、すべての塾生さんが適性価格になっていないからです。
適性価格を実現するには
「ニッチトップ戦略」の視点から見ると、価格の適性化は非競争・弱競争の市場に移行することで実現できます。
他社と同じ土俵で“安さ”を競うのではなく、自社ならではの価値を発揮できる市場に移動する。
それが「価格の適性化」を実現する第一歩です。
価格とは、コストではなく価値の表現。
“適正”から“適性”へ。
これこそが、これからの時代に求められる経営の方向性です。
「自社の価格は本当に“価値”を反映しているだろうか?」
そう感じた経営者の方へ、理論と実践の両面から学べる機会をご用意しています。
書籍で理論を深めたい方へ
拙著『ドラッカーに学ぶ 中小モノづくり企業のためのニッチトップ戦略』では、“適性価格”を実現するための「顧客創造」「事業の定義」の考え方を詳しく解説しています。
実践で価格を変革する
「藤屋式ニッチトップ戦略塾」では、非競争・弱競争市場への転換を通じて“価格の適性化”を実現するための、実践的な経営支援を行っています。
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