同じ商品なのに利益率が違う理由とは? 高収益企業がやっている「戦略の6変数の再設計」
■ 同じ商品なのに、なぜ利益率にこれほど差が出るのか
「あの会社と扱っている商品はほぼ同じはずなのに、なぜ利益率がこんなに違うのか?」
同業他社の決算状況や羽振りの良さを耳にして、こう感じたことはありませんか。
スペックも仕入れ原価も、対象市場も大差ない。
それなのに、一方は価格競争に疲弊し、もう一方は高価格を維持して悠々と利益を出している。
この決定的な差は、「売っている商品」ではなく、「商品を流通させる設計(構造)」から生まれています。
利益の正体は、商品の質そのものではありません。
商品を取り巻く「変数の組み合わせ」にあるのです。
こんにちは、経営コンサルタントの藤屋伸二です。
モノづくり企業を対象に、価格や取引条件の主導権を握るためのエコロジカル・ニッチ(生態学的市場地位)を設計しています。
今回は、同じ商品でも利益が変わる本当の理由を解説します。
■ 利益差を生む本質は「代替可能性のコントロール」
まったく同じ水でも、スーパーで買えば100円。砂漠で喉が渇いた人に売れば1万円の値がつきます。
極端な例ですが、ビジネスの本質を突いています。
利益差を生む最大の要因は、「顧客にとって、その商品の替えが効くか」をどうコントロールしているかです。
- 利益が出ない会社の特徴:商品を「単体」で売ろうとします。すると顧客の目には「スペックと価格」しか映らず、他社との1円単位の比較競争が始まります。
- 利益が出る会社の特徴:商品を「構造の一部」として売ります。
具体的には、次の3つの設計を行っています。
- 組み合わせの設計 単体ではどこでも買える商品を、独自のサービスや保証、他製品とのシステム化によって切り離せないパッケージにする。
- タイミングの設計 顧客が最も困っている瞬間、あるいは他社が対応できない特殊条件下で提供する仕組みを持つ。
- 心理的負債の設計 圧倒的な事前フォローや運用の深層まで入り込むことで、「他社に変える方が手間もリスクも大きい」と思わせる。
これらは、商品そのものの改良ではありません。商品を取り巻く「状況」の設計なのです。
■ 利益率の差は「どの変数にレバレッジをかけるか」で決まる
経営者が「どの変数に梃子(てこ)をかけているか」で、利益構造はまったく変わります。
具体例で見てみましょう。同じ「清掃用具」を扱う2社のケースです。
◆ A社(利益率が低い会社)
性能をアピールし、単価で競う。「モノ」を売る会社。
⇒ 商品の原価に縛られ、値引き合戦から抜け出せない。
◆ B社(利益率が高い会社)
顧客の工場の衛生基準を24時間維持する「管理体制」として提案し、用具はそのためのツールと位置づける。「維持管理という成果」を売る会社。
⇒ 顧客が得られる「事故防止・信頼性向上」から逆算して価格を決められる。
この違いを生んでいるのは、6変数のうち「提供方法」と「メッセージ発信」の設計です。
同じ商品でも、「何として定義し、どう届けるか」という設計図が書き換わった瞬間、利益率は劇的に変わります。
■ 利益は「商品の良さ」ではなく「優位な地位」への対価
ここで残酷な真実をお伝えします。
利益とは、商品の良さへのご褒美ではありません。
「市場における優位な地位」への対価です。
どれほど優れた商品でも、「比較される場所」に置いた瞬間、利益は市場原理に吸い取られます。
逆に平凡な商品でも、「御社からしか買えない理由」で包み込めば、利益は最大化されます。
この「選択肢がない」を意図的に作り出すのが、「生態学的市場地位」の設計です。
エコロジカル・ニッチ(生態学的市場地位)とは、価格や取引条件の決定権を、自社が握れる構造のことです。
この地位を確立するには、商品を磨くだけでは足りません。
次の「6つの変数」を立体的に組み上げる必要があります。
- 強み
- 商品
- 提供方法
- 価格
- 顧客層&市場
- メッセージ発信
■ まとめ:「良いものを作っているのに儲からない」を終わらせる
「うちは良いものを作っているのに儲からない」
もし、そう嘆いているなら、原因は商品ではありません。
商品が利益を生むための「設計」が欠落しているだけです。
同じ商品でも利益が変わる理由を、改めて整理します。
- 利益差は「商品力」ではなく「設計の差」から生まれる
- 鍵は「顧客にとっての代替可能性」をどうコントロールするか
- 「モノ」ではなく「成果」を売る構造に組み替える
- 戦略設計の6変数を立体的に設計し、価格決定権を握る
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なぜ、同じ商品で利益に天と地ほどの差が出るのか。
その答えは、机上で悩むだけでは見つかりません。
- 自社の現状を分析する
- 利益が漏れ出す穴を塞ぐ
- 高収益体質へと構造を組み替える
このプロセスが、本プロジェクトに凝縮されています。
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◆ 次回予告
商品が良いのは当たり前。
しかし「提供方法」ひとつで、価値は数倍に膨らみます。
次回は 「提供方法で会社の価値は決まる」 をお届けします。


