努力しても利益が出ない会社の共通点
藤屋伸二です。
適性価格を実現できず、価格や取引条件の主導権を持てない中小モノづくり企業を対象に、生態学的市場地位を設計する経営コンサルタント。
【藤屋式ニッチトップ戦略】で高収益体質へ転換します。
- 人一倍努力している自負はある
- 誰よりも会社を思っている
そう語るあなたの姿勢に、疑いはありません。
しかし、ビジネスという非情な世界では、正しい努力と間違った努力は、まったく異なる結果を生みます。
どれだけ努力しても、方向を間違えれば成果は出ない。
それどころか、努力すればするほど、状況は悪化していく。
貴社は、そのような状態に陥っていないでしょうか?
本記事では、貴社の努力が「資産」なのか、それとも「埋没費用」(サンクコスト)なのか、その真実を明らかにします。
■ なぜ「頑張っているのに利益が出ない」のか?
努力には方向があります。
利益が出ない会社に共通しているのは、努力の方向が「競争」に向いていることです。
- 競合より、1円でも安く売る
- 競合より、1日でも早く納品する
- 競合より、1つでも多く機能を付ける
- 競合より、1つでも便利なサービスをする
一見すると正しい経営努力に見えます。
しかし、これらはすべて、既存の競争市場(レッドオーシャン)の中で勝とうとする努力です。
この方向で努力を続ける限り、利益は下がり、模倣され、さらに競争が激化します。
結果として、努力の量だけが増え、利益は残りません。
これは経営ではありません。
単なる消耗戦です。
■ 価格競争に陥る会社がやっている「間違った努力」
価格競争に陥る会社は、共通して、比較される前提で経営をしているという構造的欠陥を抱えています。
- 安さで勝とうとする
- 早さで勝とうとする
- 機能で勝とうとする
これらはすべて「程度の違い」での勝負です。
しかし、程度の違いは必ず模倣されます。
その結果、
- 価格は下がり続ける
- 負担は増え続ける
- 利益は消え続ける
つまり、努力すればするほど、競争に深く沈んでいく構造になっているのです。
■ 間違った努力ほど強化されるサンクコストの罠
さらに問題なのは、人は間違った努力ほどやめられないという点です。
- ここまでやったのだから間違っていないはずだ
- あと少し頑張れば結果が出るはずだ
この思考は、サンクコスト(埋没費用)の典型です。
本来、方向が間違っているなら、即座に引き返すべきです。
しかし実際には、
- さらに、値引きをする
- さらに、短納期に応える
- さらに、無理に応えようとする
こうして、間違った方向に加速していきます。そして最終的に、
- 社員が疲弊する
- 社員の頑張りに応えられない
- 利益が残らない
- 将来投資ができない
という状態に至ります。
■ 戦略がない会社ほど「努力で解決しようとする」
戦略とは「戦いを略(りゃく)す」と書きます。
つまり、戦略とは、戦競争をしなくてよい状況を設計することです。
しかし、戦略がない会社は、すべての戦いに正面から挑みます。
- すべての顧客に対応する
- すべての要望に応える
- すべての競争に参加する
これは経営ではありません。
単なる「我慢比べ」です。
戦略不在の会社ほど、現場の努力で問題を解決しようとします。
しかし、構造の問題は、努力では解決できません。
■ 利益を生む会社は「競争しない構造」を設計している
利益を生み続ける会社は、そもそも競争の中にいません。
- 比較されない
- 代替されない
- 価格を問われない
この状態を意図的に作っています。
その中核にあるのが、生態学的市場地位です。
■ 価格と取引条件の主導権は「戦略の構造」で決まる
エコロジカル・ニッチ(生態学的市場地位)とは、価格や取引条件の決定権を持つ構造です。
この戦略構造は偶然では生まれません。
【強み、商品、提供方法、価格、顧客層・市場、メッセージ発信】
この戦略設計の6変数を、整合させて設計することで成立します。
ここで重要なのは、これまでの延長線上では成立しないという点です。
- 強みを再定義する
- 商品を再定義する
- 提供方法を変える
- 価格を変える
- 顧客層・市場を選び直す
- メッセージ発信を変える
つまり、これまでの前提を捨てる覚悟が必要です。
■ 「努力」で事業展開するか、「戦略構造」で事業展開するか?
- 貴社はこれからも、競争の中で努力し続けますか?
- それとも、競争そのものを無効化する構造を設計しますか?
この選択が、今後の経営を決定づけます。
第1フェーズ「現状否定」はここで終了です。
ここまで読み進めたあなたは、すでに、努力ではなく構造で結果が決まる世界に足を踏み入れています。
◆ 次回予告
次回から第2フェーズ「構造理解」が始まります。
まず明らかにするのは、利益の正体です。
なぜ利益は努力ではなく設計で決まるのか。
その構造を解き明かします。 次回は、『利益は努力ではなく設計で決まる』をお届けします。

