企業規模の正しい捉え方| 売上でも人数でもない“本質的な違い”とは

中小企業に特化した「ニッチトップ戦略®」の専門家、藤屋伸二です。
私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略®」を組み合わせ、350社を超える中小企業の高収益化を支援してきました。
また、ドラッカー関連の書籍を45冊執筆し、累計発行部数は225.9万部を超えています。

「うちは中小企業だから」
「まだ小さい会社だから」

経営者の方から、こうした言葉を耳にすることがよくあります。
しかし、企業規模を“売上高”や“従業員数”だけで測るのは、本質的ではありません。

本記事では、企業の“真の規模”を決める要素と、規模によって生じる経営課題の違いについて整理します。

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企業規模を決めるのは「管理階層」の数

企業規模というと、売上高・従業員数・店舗数などが思い浮かびますが、実は企業の本当の規模を決定づけるのは管理階層の数です。

たとえば、電気や水道の検針を行う企業では、検針員が多数を占めます。
従業員が数千人いても、管理階層が3〜4層であれば、それは大企業とは言えません。

一方、イタリアの高級スポーツカーメーカー《フェラーリ社》は、売上高約4,000億円、従業員3,000人という規模ですが、自動車業界全体で見れば「最も小さなメーカー」に分類されます。
つまり、業界によって“規模の基準”は変わるのです。

また、従業員1,000人の中堅企業でも、海外に拠点を持ち複数の国を横断して経営している場合は、経営課題の複雑性という点で“事実上の大企業”と言えるでしょう。

このような視点から、

  • 企業規模とは何か
  • 規模によってどのような課題や問題が発生するのか

を考えてみましょう。

企業規模の4段階とその特徴

個人事業

一人の人間が社長と販売を兼ね、もう一人が製造を担当し、もう一人が経理などを担当するのは個人事業のレベルです。

したがって、個人事業=フリーランスとはかぎりません。

小企業

小企業では社長と従業員の間に1層の管理階層が存在します。

たとえば、製造業で、工場に職長が数人いても、リーダー的な存在であれば個人事業とみなします。

しかし、工場長、経理部長、販売部長がいれば、組織的な活動になりますので、立派な小企業です。

なお、留意点として、「名ばかり部長、名ばかり課長」が何人いても、ワンマン社長が、直接、指示を出すような企業は個人事業とみなします。

中企業

中企業になると社長は、現場から離れることになります。

もはや、特定部門の長を兼務することは許されません。

特定部門の長を兼ねると、担当部門に神経が集中して、企業全体に目が行き届かなくなるからです。

組織形態としては、小企業が採用するのは機能別組織(営業部、製造部などの縦割り組織)です。

また、大企業が採用するのは連邦型組織(A事業部、B事業部)です。

連邦型組織は、事業部制組織とも言われています。

ところが、中企業では、機能別組織にするには規模が大きすぎ、連邦型組織にするには規模が小さすぎるという問題が発生します。

事業規模が中途半端なのです。

この解決策として、疑似(ぎじ)連邦制組織にする方法があります。

これは、事業部制組織の核となる販売部門や製造分門などの主要活動部門は独立採算にして、経理・財務・人事・総務などの間接部門は、本部に委託(アウトソーシング)するものです。

また、スタッフ部門は必要ないのですが、専門知識を持つ従業員(専門職)の必要は出てきます。

したがって、社長や機能別組織の長との関係をどのようにするかを検討しなければなりません。

あるいは、各種の専門職は外注するという方法もあります。

大企業

経営層の仕事は、チームを組んで行なう必要が出てきます。

もはや、トップが現場の業務をリアルタイムで知ることは不可能になります。

したがって、たとえば、目標の設定にしても次の階層にゆだねなければなりません。

しかも、企業規模によっては、何人かで分担する必要があります。

大企業では、事業部制組織が有利です。

責任体制が明確になりますし、最終的な意思決定を要するという意味で、後継者の育成にも優れているからです。

このような理由から、ほとんどの大企業では事業部制組織がとられています。

事業部制組織で重要なのは、強い本社機能です。

事業部の力が大きくなりすぎると、最適な経営資源の配分ができなくなってしまいます。

また、本社と事業部の関係にも十分に注意する必要があります。

と言うのも、事業部には責任と権限が付与されていますが、任せることと放任とは違います。

えおこまで事業部の経営に介入するかの問題には正解がありません。

このあたりが、経営は科学(サイエンス)であり芸術(アート、センス)と言われているゆえんです。

この事業部制の権限と責任は、機能別組織にもあてはまる課題です。

自社に置き換えて、考えてみてください。

経営者に求められる視点 ― “規模の罠”に陥らない

経営者が陥りやすいのは、「企業規模=強さ」という錯覚です。
しかし実際には、規模の大小よりも、階層構造と意思決定の仕組みこそが、経営の質を決めます。

たとえ小さな組織でも、

  • 意思決定が明確
  • ・責任と権限の線引きが適正
  • ・社員が自律的に動ける仕組み

が整っていれば、それは立派な“強い企業”です。

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