「窮すれば濫す」と「窮すれば通ず」

窮すれば濫す

「小人窮すれば斯に濫す」(しょうじん、きゅうすれば、ここにらんす)とは、『論語の衛霊公』(えいれいこう)にある言葉で、「徳のない品性の卑しい人は、困窮すると自暴自棄になり悪事を行なう」という意味です。



「貧すれば鈍する」という諺(ことわざ)もあります。



これらを経営に置き換えてみると、「業績が悪化してくると、資金繰りなど目先のことに囚(とら)われて視野が狭くなり、顧客志向やビジョンなどが失われてしまう」ということになるでしょう。

そうなると、ますます「鈍」になってしまい、さらに「窮する」ことになってしまいます。

なかには、法律を破ったり、顧客をだましたりする人も出てきます。



どのようなときにも、創業の精神や経営理念、ビジョン、マーケティング志向を失わず、これらをもとに事業を見直してください。

そうすれば、やるべきことが見えてきます。

 

窮すれば通ず

一方で、「窮(きゅう)すれば通ず」という諺もあります。

これは、中国の古典のひとつである『易経』(えききょう)に出てくる言葉です。

その意味は、「絶体絶命の窮地に追い込まれれば、人はかえって名案が浮かび、行くべき道が開けるものだ」という意味です。



ただし、なかには、「運が強いだけ」の人もいるでしょうが、ほとんどの人は、「備えあれば憂いなし」「必要は革新の母」と考えたほうがよいでしょう。

奇跡でも起こらないかぎり、「無から有が生ずることはない」からです。

なお、ニッチ先生は、奇跡を否定しません。

奇跡は起こりえるからです。

それを否定するほどのバカではありません。

奇跡を否定しませんが、めったに起こらないことを当てに経営してはいけません。

 

困ったとき、迷ったときこそ原点に戻る

経営に置ける原点とは、「使命(ミッション)」「戦略目標」「事業目的」であり、経営の3つの機能である「マーケティング」「イノベーション」「生産性」です。

今回のコロナ禍で業績が悪化しているのであれば、戦略の前提になる経営環境が変化してしまい、事業目的が現実離れしてきたと考えてください。



したがって、事業を分析し、事業戦略の再設計が必要になってきます。

なお、事業戦略を再設計するときは、既存のヒト・モノ・カネ・時間・ノウハウ・スキルから考えるのではなく、「理想事業の設計」から考えなければなりません。

理想事業とは、ジグソーパズルの完成形です。

完成させるには、既存の強みや経営資源では足りないピースが明らかになってきます。

それをどのようにして入手するか?

また、どのようなプロセスでピースを埋めていくか、これが事業戦略です。



このように考えれば、名案が浮かび、あるいは、協力者が出てきて、行くべき道が開けます。

つまり、経営に偶然(奇跡)を求めるのではなく、「分析」と「思考」と「計画」と「徹底した行動」を求めましょう。

 

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