変革期はプロセス型経営戦略で乗り切る!

旧来型の経営計画と決別

2021年4.14日付の日経MJの「ポストコロナの顧客戦略」に、次のような記述がありました。

肝に銘じなければならないのは、ニューノーマル時代が安定した「定常状態」ではないということである。
― 中略 ― コロナ後も激動期であることには変わりない。この激動の時代を乗り越えていく備えができているか。まだ課題は多いとみる。なぜなら、1960年代後半や1970年代前半から脈々と培われた従来型の戦略立案アプローチやマネジメントの仕組みで、いまだ多くの日本企業が運営されているからだ。
それは、5年から10年のレンジで事業環境を俯瞰し、企業ビジョンや経営目標を定めたうえで、「中長期戦略」を策定・決定し、それを単年度の経営計画に落とし込んでいくものである。
しかし昨今、企業を取り巻く環境変動や競争関係の変化があまりにも激しく、戦略の前提がすぐに崩れてしまうことが継続的に発生している。
従来の戦略計画の方法論は、すっかり効力を失いつつあり、見直しが必要な状況になっている。

一時的競争優位の獲得を積み重ねる戦略

新しい経営戦略の設計方法として、2010年代に入り、欧米の経営学者が、「一時的競争優位の獲得を積み重ねる」経営手法を提唱しました。

しかし、いっけん、もっともらしく聞こえますが、10年スパンで考えなければならない製造業の設備投資や、20年スパンで取り組まなければならない人材育成の課題に、「一時的競争優位の獲得を積み重ねる方式」で、答えることができるのでしょうか?

 

プロセス型経営戦略とは

上場企業は、株主や利害関係者の手前、あるいは、経営者のメンツにこだわるため、いったん発表した経営戦略や経営計画に固執する傾向があります。

しかし、ピーター・ドラッカーは、「戦略目標とは、方向性を定めるものであって、拘束されるべきものではない」と述べています。

「マネジメント(経営)とは、実践である」と言い続けていたドラッカーは、現実を直視した経営でなければ、遠からず企業は破綻してしまうと言います。

それでは、戦略として、「長期の利益」と「短期の利益」を、どのようにバランスさせればよいのでしょうか?



ドラッカーは、

未来は予測できない。予測通りにならない。逆にいえば、予測できないがゆえに、現在できそうにないと思われている自社にとって望ましい未来を実現することも可能

という意味のことを言っています。

したがって、まず、ビジョンや戦略目標として、大まかな「あるべき姿」「理想的な事業像」を設計します。

そして、方法論として、定期的に環境変化や進捗状況に照らし合わせて、経営計画と行動計画を修正していけばよいのです。

これが、【プロセス型経営戦略】です。



もっとも、この考え方は、新しいものではなく、ニッチ先生が本格的に経営を勉強し始めた30年数年以上も前に読んだ、日経文庫の『経営管理』(野中郁次郎著、1980年初版)で紹介されていました。もしかすると、日経文庫の『経営戦略』だったかもしれませんが。。。

 

プロセス型経営戦略の設計実務

ニッチ先生が主宰する【藤屋式ニッチ戦略塾】(概要はここをクリック)では、1クールを8ヶ月で回しています。

そのプログラムは、

  • 第1回 理想事業を設計する
  • 第2回 眠っている強みを覚醒させる
  • 第3回 成長のチャンスをさがす
  • 第4回 商品・提供方法を見直す
  • 第5回 対象とする市場・顧客を見直す
  • 第6回 メッセージ発信を見直す
  • 第7回 藤屋式ニッチトップ戦略に再設計する
  • 第8回 再設計したニッチトップ戦略の発表

です。

このプロクラムを8ヶ月サイクルで繰り返しています。

「8ヵ月ごとに戦略を策定するなんて!?」と思うかもしれませんが、激動する環境変化への対応を考えると、8ヵ月というのは適度な期間です。

【藤屋式ニッチ戦略塾】には、10年以上在籍する塾生さんもいますが、在籍期間が長くなるほど、このプログラムを実践しているので、環境変化による大きな業績悪化に見舞われることもなく、業績を伸ばし続けています。

このよう考え方を、ドラッカーは、次のような意味の事例で紹介しています。

航海で、行き先を定めなければ漂流するのみである。 しかし、行き先を定め、到達する目標地を定めていれば、目標とする日の前後には、行き先にたどりつく。途中で積み荷が売れて、どこかに寄港するかもしれない。あるいは、嵐にあえば、航路を変えたり、過ぎ去るのを待つために停泊したりしなければならなくなったりすることもある。 しかし、行き先を定め、到達する目標日を定めていれば、必ず到着する。

固定と安定は違います。

経営を安定させるには、船のように重心を保ちつつ、波の揺れに合わせ続ける必要があります。

ドラッカーは、その方法を教えてくれる最良の経営理論です。

【藤屋式ニッチ戦略塾】は、そのドラッカーに基づいています。



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