”特徴がない商品・サービス”に特徴をつくる9つの方法【ニッチ戦略】

中小企業に特化した「ニッチトップ戦略」の専門家、藤屋伸二です。
私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略」を組み合わせ、350社以上の中小企業の高収益化を支援してきました。
また、ドラッカー関連の書籍を45冊執筆し、累計発行部数は225.9万部を超えています。

今、多くの経営者が直面しているのが「コモディティ化」という問題です。
たとえば、ガソリンのように、価格以外で違いを打ち出すことが難しくなった商品、それがコモディティ商品です。

差別化が不可能に見える商品やサービスでも、イメージや用途を変えるだけで独自化できることがあります。
実際、既存の商品に少しの“見せ方の工夫”を加えるだけで、類似商品の中に埋もれていた商品がよみがえるケースは少なくありません。

「もう差別化できない」
「品質も価格も限界だ」

そんなときこそ、“視点を変える”ことが最大の戦略になります。

この記事では、コモディティ化した商品を再生させるための9つの具体的な方法を紹介します。

これらを組み合わせることで、類似商品の中に埋没していた商品や、すでに陳腐化してしまった商品でも、再び息を吹き返すことができます。

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方法①:専門特化する

「専門」という言葉には、“知識がある”“スキルが高い”というイメージがあります。
そこで、思い切ってニーズを絞り込み、「〇〇専門」を打ち出すと、それだけで特徴が際立ちます。

たとえば、「餃子専門店」にすると、中華料理店の餃子よりもおいしそうに思えてしまいます。
また、ラーメン店が「激辛専門」と掲げれば、辛いものが好きな人にとって一度は入ってみたいお店になります。
さらに、マッサージ店の看板に「ガチガチ専門」と書かれていれば、肩こりがひどい人にとっては非常に魅力的に映ります。

これが「専門効果」です。
専門を名乗るだけで、「ここなら自分に合っているかもしれない」という信頼感を与えることができます。

 

方法②:ニッチトップ化する

95%の人は、自分で判断できずに「みんなが良いと言うもの=良いもの」と考える傾向があります。
この心理を利用したのが「ニッチトップ=No.1化」です。

多くの消費者は、

「一番売れているのは、一番良い商品に違いない」
と信じています。

そのため、アマゾンでは多くのジャンルを細分化し、それぞれに“1位(ニッチトップ)”を設けています。
単純に「No.1」にすることで、商品はよく売れるのです。

  • 書店のランキング棚
  • コンビニ・ドラッグストアの売れ筋コーナー
  • 検索結果の1ページ目の上位表示

どれも「No.1効果」を狙った仕組みです。

なお、「ニッチトップ」を成立させるためには、どのように独占市場を設計し、他社が真似できない参入障壁を築くかが鍵になります。
具体的な手法については、こちらの記事で紹介しています。

【事業戦略】ニッチな市場を独占する4つの条件|「ニッチトップ戦略」の専門家が解説

中小企業に特化した「ニッチトップ戦略」の専門家、藤屋伸二です。私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略」を組み合わせ、350社以上の中小企業の高収益…

下記の記事では、「ニッチ」の本来の意味(生態的ニッチ)を解説しています。

こちらも併せて読むと理解が深まるので、ぜひ読んでみてくださいね。

ドラッカーに学ぶ「生態的ニッチ戦略」とは?|「ニッチ」の正しい意味を知る

中小企業に特化した「ニッチトップ戦略®」の専門家、藤屋伸二です。私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略®」を組み合わせ、350社以上の中小企業の高収…

方法③:価格でブランディングする

世界最大の小売業・ウォルマートは、「エブリデイ・ロープライス(毎日、圧倒的に安い)」というコンセプトで、低価格そのものをブランド化しました。
一方で、アイスクリームのハーゲンダッツやチョコレートのゴディバは、高価格でブランディングしています。

しかし、「中途半端な価格」でブランドをつくることはできません。
価格でブランディングするなら、“高すぎる”か“安すぎる”かのどちらかを選ぶ必要があります。

中小企業が安すぎる価格で利益を出すのは難しいため、高価格路線を選ぶのが基本です。
こだわりの強い顧客層に絞り、その人たちの問題を深く解決できる商品・サービスにすることで、価格よりも価値で選ばれるようになります。

むしろ、「高いからこそ価値がある」という印象が形成されるのです。

 

方法④:売り方を変える

特徴のない商品や、衰退期にある業界では、「常識的な売り方」をしていても売れません。
その代表例が、北海道の呉服販売会社・株式会社和光(田中伸一良社長)です。

同社は札幌市で4店舗を展開しており、以前は着物と和装小物の販売をしていました。
しかし、呉服業界は“絶滅危惧業種”と言われるほど厳しい市場。
そこで同社は、売り方を大きく変えました。

  • 若者向けの浴衣販売・卒業式袴レンタル「キモノハナ」
  • 和装小物専門店「コモノハナ」
  • 着物好きな大人向け「キモノハナおあつらえ」
  • 着物買取リサイクル店「和ものや傳」

といった形で、店舗ごとに明確なコンセプトを設定したのです。

特に「和装小物専門店コモノハナ」は、不採算店舗を札幌唯一の“専門店”に変えたことで、開店初月から目標を大幅に上回る業績を達成しました。
まさに、「売り方」を変えるだけで価値が生まれた好例です。呉服販売店を、札幌市に一店舗しかない和装小物専門店に切り替え、開店当月から目標を大きく上回る店舗になりました。

 

方法⑤:商品名を変える

同じ商品でも、「おからクッキー」と「ダイエットクッキー」では印象がまったく異なります。

もちろん、ターゲットによって違いはあります。
後期高齢者であれば「おからクッキー」のほうが売れるかもしれません。
しかし、60代以下であれば「ダイエットクッキー」の方が明らかに魅力的です。

“おから”は豆腐の搾りかすとして年配層には馴染みがありますが、若い層にはピンとこない言葉です。
一方、“ダイエット”は多くの人が常に関心を持っているテーマであり、そのための商品だとすぐに理解されます。

また、「お金をかけてでもダイエットしたい」という人は多く、少し高くても買う傾向があります。
このように、ネーミングを変えるだけでターゲットと価格帯が変わるのです。

実際、「おからクッキー」から「ダイエットクッキー」に変更しただけで売上が急増した例もあります。
もともと売れていない商品であれば、名前を変えるリスクはありません。試して損はないのです。

 

方法⑥:商品の性格を変える

ドラッカーの有名な事例に、
「食べ物を腐らせないための冷蔵庫を、寒冷地では“食べ物を凍らせないための保温庫”として売る」という話があります。

また、ある潤滑油メーカーは、「潤滑油が原因で機械が故障したら、故障期間の損害を補償する保険として販売する」ことで、アメリカ市場のトップシェアに躍り出ました。

どちらも、商品の“性格”を変えただけです。

競争環境から抜け出したいなら、商品の機能を変えるのではなく、“商品の文脈”を変えること。
商品の性格を変えても、商品そのものは何も変わりません。
意味づけを変えるだけで市場が変わるのです。

 

方法⑦:用途を開発する

たとえば、計算器だったそろばんは、「脳トレ用の考具」として販売することで生き残っています。

また、刻み海苔用に開発された5連刃のハサミを、お客様が「機密書類の裁断」に使い始めたという事例もあります。
それに気づいた製造元が、「事務用品のはさみシュレッダー」として販売し、売上を飛躍的に伸ばしました。

用途開発とは、“お客様が見つけた新しい使い道”を正式に採用することです。
顧客の使い方を観察することが、最も実践的な商品開発になるのです。

 

方法⑧:権威に認定してもらう

今は苦境に立たされている百貨店ですが、「高級感」と「信頼感」を保っています。
その食品売場に出店できることは、中小企業にとって「権威からのお墨付き」となります。

現代では、アマゾンでの販売も同様です。
出品には審査があるため、「アマゾンで買える=信頼できる商品」という印象を与えます。

また、製造業であれば、地方公共団体の公設試験研究機関で機能・性能・効能などの評価を受けることで、無名でも信頼を得られます。
さらに、YouTubeに多数の動画を投稿し、YouTubeやグーグル検索のトップに表示されれば、それもまた「検索分野の権威に認定された」と言えます。

 

方法⑨:ブランドの顔をつくる

マヨネーズそのものを見ただけでは商品を識別できませんが、赤いキューピーのキャラクターを見れば「キューピーマヨネーズ」とすぐに分かります。
これがブランドの顔をつくるということです。

熊本県玉名郡の納豆メーカー・株式会社丸美屋(東建社長)は、「お城納豆」という商品を販売していましたが、特別目立つ存在ではありませんでした。
そこで、子猫のイラストをあしらった「にゃっとう」ブランドを立ち上げたところ、売上が急増しました。

納豆をほとんど食べない私でも、この商品名を知っていたほどです。
それだけ、ビジュアルの力は大きいのです。

特徴のない商品を“選ばれる商品”に変えたい経営者の方へ

「特徴がない商品」とは、単に「特徴を見つけられていない商品」です。
視点を変えれば、どんな商品にも価値の種が眠っています。

  • 「専門特化」すれば信頼が生まれる
  • 「ネーミング」を変えれば顧客が変わる
  • 「性格」や「用途」を変えれば市場が変わる

同質競争から抜け出すカギは、“経営者の発想の転換”にあります。

もし今、

  • コモディティ化から抜け出したい
  • 特徴のない商品を売れる商品に変えたい
  • 価格ではなく価値で選ばれたい

と感じているなら、次の3つの方法で学びを深めてください。

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拙著『ドラッカーに学ぶ 中小モノづくり企業のためのニッチトップ戦略』では、本記事で紹介した“コモディティ化脱却”や“特徴づくり”の考え方を、中小企業が実践できる具体的な事例とともに解説しています。

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実際に、自社商品の“特徴”を再構築し、選ばれる仕組みをつくりたい方には、藤屋式ニッチトップ戦略塾|グループコンサルコースがおすすめです。

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