事業戦略 明確なコンセプトを打ち出す

中小企業にはコンセプトは必要だ

あらゆる企業が自らの事業についての定義、すなわち事業とその能力についての定義をもたなければならない。そしてあらゆる事業が代価の支払いを期待できる貢献を描かなければならない。
=中略=
意思決定を行う人たちが、いかに事業を見、いかなる行動をとり、あるいはいかなる行動を不相応と見るかを規定する定義というものがなければならない。事業の定義が市場に供給すべき満足やリーダーシップを保持すべき領域を規定する。
『創造する経営者』

コンセプトがビジネスモデルを規定する

コンセプトとは、「誰に」「何を提供するのか」を明らかにするものです。

ドラッカーのいう【事業目的】と言い換えてもいいでしょう。

何度も繰り返しますが、「誰に」が決まらないと、「何を」も「どのように」も決めることができません。



「誰に」の前には、「なぜ」「何のために」という事業方針を決めておかなければなりません。

また、利益の源泉になる「自社の強み」も特定しておかなければなりません。



会社組織でモノづくりをしている人たちは、作業に取り組む前にパソコン・CADを使って「設計図」を作成します。

しかし、サービス業や販売業の人たちは、必ずしも設計図や計画書を作成するわけではありません。

多少、アバウトでも仕事ができるからです。



しかし、平均的な能力の人たちがチームをつくって、ひとつの仕事に取り組むときは、共通認識がないと良い仕事はできません。

たとえば、能力が高い人たちがセッションするジャズバンド型組織ではなく、ブラスバンドやオーケストラのように、楽譜によって各メンバーが自分の役割を演じられるようにするのです。

楽譜がなく、それぞれのメンバーが好き勝手な音を出すと、音楽ではなく雑音や騒音になってしまいます。



つまり、ビジネスモデルを設計するのは、楽譜を書くのと同じなのです。

楽譜があれば、能力に差があっても、同じ曲を奏でることができるようになります。

あなたの会社には、楽譜にあたる経営方針や行動指針、経営計画、行動計画がありますか。

なければ、すぐにつくってください。

その基になるのがコンセプトなのです。

 

コンセプトは優劣を競うのではなく、他社との違いを創る

新しい着眼点(他社との違い)を打ち出すのがコンセプトです。

コンセプトは「誰に」「何を」でつくります。

そのコンセプトはナビシステムだと思ってください。

コンセプトのない会社は、カーナビがないドライブを強いられるようなものです。

現在地がわからず、ゴールを定めているけれど、そのゴールがどこにあるかハッキリわからない状態です。

一昔前は、地図と道路の案内板を頼りにドライブしていましたが、カーナビがあると、工事中や渋滞などのトラブルを回避して、よりスムーズに目的地にたどり着くことができます。



事業戦略は違いを打ち出すものです。非競争の市場で事業を展開することを生態的ニッチ戦略(占有できる市場を確保すること)といいます。

非競争にするには、「お客様ニーズを絞り込む」「特徴を他社と異質なものにずらす」ことで実現できます。

たとえば、【藤屋式ニッチ戦略塾】の塾生さんのトイプードルのブリーダーの京都ラッキーファミリーさんは、子犬の繁殖・販売から、トイプードルに絞り込み、「家族として迎えるトイプードルとの素敵な暮らしをサポートする」に特徴をずらしました。

このコンセプトにもとづいてビジネスモデルを設計したおかげで、売上げ・粗利益率ともに飛躍的に伸ばすことができました。



このように、コンセプトを生態的ニッチの観点でつくり、それに沿ってビジネスモデルをつくれば、価格競争や過度のサービス競争を回避することができます。

 

既存のビジネスモデルからコンセプトをつくる

本メルマガの対象読者は、中小企業の経営者です。

したがって、すでに「継続して儲かるビジネスモデル」ができているかもしれません。

そのときには、現在の事業を「誰に・何を・どのように」に分解してみてください。

そうすると、改めて「自社の強み」「他社との違い」「得意先に支持されている理由」などが明らかになります。



明らかになった理由をメッセージとして発信すると、理想的なお客様を新規のお客様として獲得することも可能になります。

たとえば、本や雑誌の表紙のように、発信したいメッセージが一目でわかるようにするためにも、コンセプトを打ち出し、キャッチコピーと3つの魅力を発信してください。

そうすると、買って頂きたいお客様に、「自社のためのメッセージだ」「これこそ、求めていた商品・サービス・提供方法だ」と気づいてもらえます。

 

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