強みとは何か|自社の強みの見つけ方と、技術力が選ばれる理由
ニッチトップ戦略の藤屋です。
技術力はある。
それなのに、選ばれる理由になっているのは、価格や納期のほうだ。
そう感じる場面は、ないでしょうか。
強みという言葉は、経営の現場でよく使われます。
しかし、何を強みと呼ぶのかは、あいまいなまま使われていることが多い。
したがって、まず、強みを定義しておきます。
強みとは、顧客が自社を選ぶ理由になりうるものです
強みとは、顧客が自社を選ぶ理由になりうるものです。
社内でかけた時間や努力の量ではありません。
同業他社と並べたときの技術水準でもありません。
御社の強みを定義するのは、顧客の側です。
持っていることと、選ばれる理由になっていることは、別です
「強みとは、顧客が自社を選ぶ理由になりうる」と書きました。
いま、選ばれる理由になっているとは限らないからです。
たとえば、他社が対応したがらない精度に応える技術がある。
しかし、相見積もりに並べられた瞬間、その違いは価格の差に置き換えられる。
このとき、技術力は存在しています。
けれども、強みとしては機能していません。
技術力があることと、それが選ばれる理由になっていることは、別の話なのです。
何が、強みに当たるのか
強みに当たるものを挙げると、こうなります。
技術力。ノウハウ。スキル。実績。顧客に認識されている商品名。
ここで、実績や商品名まで強みに入るのか、と思われるかもしれません。
判断は、一つの問いで足ります。
これは、顧客が自社を選ぶ理由になりうるか。
同じ加工を出せる会社が複数あるとき、その分野で受け続けてきた事実が決め手になることがあります。
商品名を聞いて、この分野ならあの会社だ、と想起されることもあります。
どちらも、顧客が自社を選ぶ理由になっています。
だから、強みです。
逆に、社内で長年かけて身につけたことでも、顧客が選ぶ理由にならなければ、強みではありません。
苦労の大きさは、顧客が選ぶ基準にはならないからです。
■社内の基準で選ぶと、外れます
強みを書き出すとき、多くは社内の感覚から選ばれるからです。
- 苦労して身につけたもの
- 投資したもの
- 自慢できるもの
しかし、顧客はその経緯を知りません。
一方で、社内では当たり前にしていることが、顧客から見れば他社にないことだった、という例は珍しくありません。
- 段取りの速さ
- 図面が固まる前の相談に応じていること
- 不具合が出たときの初動
自社では手順の一部でも、顧客はそれを理由に発注していることがあります。
確かめる方法は、単純です。
なぜ、当社に頼んでいるのですか。
主要な顧客に、そう聞いてみる。
社内で議論するより、答えは早く出ます。
そして、返ってきた答えを、先ほどの問いにかけます。
これは、顧客が自社を選ぶ理由になりうるか。
ここまでで、強みの候補は出そろいます。
それでも、強みだけを見直しても変わりません
強みの判定はできました。
ただし、判定できたところで、状況はまだ変わりません。
強みが選ばれる理由になるかどうかは、強み単体では決まらないからです。
同じ技術力でも、どの顧客層&市場に置くかで、選ばれる理由になることも、ならないこともあります。
業界の相場が支配する状況下では、他社と同じ物差しで比べられます。
そこでは、技術力の違いは価格の差に翻訳されます。
強みは、事業戦略を構成する変数の一つです。
強み × 商品 × 提供方法 × 価格 × 顧客層&市場 × メッセージ発信
これを戦略設計の6変数と呼びます。
足し算ではなく、掛け算です。
1つでも整合が崩れれば、全体が機能しません。
そして、この6つを見直すのが、戦略再設計の5指針です。
維持する、減らす、強化する、捨てる、創る
すべてのものは旧式のものになり、劣化し、たんに飽きられたりします。
強みも例外ではありません。
かつては選ばれる理由だったものが、いまはそうではないこともあります。
その場合は、維持ではなく、捨てるという判断になります。
今の状態は、いつまで続くでしょうか?
強みは、持っているだけでは選ばれる理由になりません。
今、選ばれる理由が価格や納期であるなら、それを決めているのは個々の営業活動ではありません。
戦略の構造です。
構造が変わらなければ、状態も変わりません。
他社と比べられない状態をつくる。
そのために、戦略設計の6変数で設計し直します。
そうして初めて、技術力の違いが、選ばれる理由になる。
そのとき初めて、価値に見合う適性価格で取引できるようになります。
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