価格競争から抜け出すとは|比較されない会社のつくり方

ドラッカーをベースにしたニッチトップ戦略で、モノづくり企業の価格と取引条件の主導権を取り戻す支援をしている藤屋伸二です。

さて、
前回、価格と取引条件の主導権を持てない理由は「他社と比較される状況にいるから」だと書きました。

では、そこから抜け出すとは、どういうことか?
今回は、その話です。

競争から抜け出す=安売りではない

まず、誤解を解いておきます。

競争から抜け出すとは、値段を下げて目立つことではありません。
顧客を選り好みして、わがままになることでもありません。

それは、自社だけが適応している場所をつくることです。

10社の横並びから、1社が抜け出す

たとえば、同じ部品をつくる会社が10社あるとします。

顧客は10社を並べて、相見積もりを取る。
これが、競争させられる状況です。

ところが、その中の1社が、こう変わったとします。

「うちは量産品はやりません。試作の、それも特定条件のものだけをやります。そのかわり、他社が3週間かかるものを5日で出します」

この瞬間、その会社は10社による競争から抜け出しています。
特定条件の、超短納期を強く求める顧客は、もう、その会社を他の9社と比べません。

なぜならば、その時点でこの会社は、比べる相手が、いなくなったからです。

競争相手がいなくなる

これが、競争から抜け出すということです。

他社と同じ要素で競争しない。
だから、他社と比べようがない。
自社だけが、特定のニーズに適応している。

自社だけがその場所に適応している状態が生まれる(独自化する)ように、事業の構造を設計する。

順序を間違えてはいけない

ここで大事なのは、順序です。
多くの経営者は「売上を増やしてから、利益を考える」と考えます。
でも、競争から抜け出す設計は、逆です。

利益が出る構造を、先につくる。
そのうえで、売上がついてくる。

増収増益ではなく、増益増収。

この順序を間違えると、抜け出したつもりで、また別の比較される状況に乗ってしまいます。

⇒ なぜ価格と取引条件の主導権を持てないのか、ここで詳しく解説しています。