ChatGPTで経営の課題解決をする方法【第9回】

~ 課題を整理し、解決策を導く“構造化思考”の使い方 ~

中小企業に特化した「ニッチトップ戦略」の専門家、藤屋伸二です。

「ChatGPTは便利だけど、経営にどう活かせばいいか分からない」
そんな声を、多くの中小企業経営者から聞きます。

私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略」を組み合わせ、これまでに350社以上の中小企業の高収益化を支援してきました。
キャリアの割に支援した企業数が少ないのは、継続的に支援している企業様が多いからです。

また、これまでにドラッカー関連の書籍を45冊執筆し、累計発行部数は225.9万部を超えています。
その経験から見ても、今まさに経営者の右腕となり得る存在として注目しているのがChatGPTです。

中小企業の経営者にとって、経営課題は日常茶飯事。

こんなお悩みを持ってはいませんか。

  • 問題は山積み
  • でも、何から手をつけていいか分からない…

そして、“問題の見えにくさ”に悩む声も多く聞きます。

  • 課題が複雑に絡み合っていて、整理できない
  • 現場から上がってくる声が断片的で、全体像がつかめない
  • 感覚的には分かっているが、言語化できない

このような状態で対策を打っても、ピントがずれたり、優先順位を間違えたりして、結局また問題が発生します。

そこで活用したいのが、ChatGPTの“構造化思考力”と“問い返し力”です。

本記事では、ChatGPTを使って経営課題を整理し、解決策を構想するためのステップと問いの型を紹介します。

本記事は、全10回シリーズ「ChatGPTを経営者の名参謀に育てる方法」の【第9回】です。
シリーズは各回ごとに完結していますが、【第1回】から読んでいただくと理解がより深まり、実践に活かしやすくなります。
第1回では「ChatGPTを経営者の戦略活用で差をつける5ステップ」を解説していますので、まだの方はぜひ併せてご覧ください。

■ 経営課題を放置するリスクとは?

最も怖いのは、「課題が明確になっていないために、判断や行動が後手に回る」ことです。
以下のような“課題不明瞭型の経営”には、次のようなリスクがあります。

  • 【問題が見えない状況】
    リスク例⇒どこから手をつけるべきか不明、現場が混乱する
  • 【優先順位が不明状況】
    リスク例⇒解決しやすい問題ばかり選び、本質的な課題が放置される
  • 【共通認識がない状況】
    リスク例⇒経営と現場、部署間で対話が噛み合わない

この状態を抜け出すには、「問いを通じて、課題を可視化・構造化する」思考プロセスが必要です。

■ ChatGPTで課題を可視化する方法

ChatGPTは、経営者の思考を補助する“対話型の整理ツール”として活用できます。

特に、以下のような問いを投げかけることで、課題が言語化され、構造的に把握できるようになります。

  • 例1:問題の整理を依頼する:
    ◯◯部門で最近トラブルが続いています。可能性のある課題を“人・物・金・情報”の切り口で整理してください ⇒ ChatGPTは、抽象的な混乱を“分類と可視化”してくれます。
  • 例2:表層と根本の区別を依頼する:
    表面上の課題が“営業の数字が上がらない”なのですが、根本原因の候補を深掘りしてください⇒ ChatGPTは、課題の“因果関係”を探る仮説を提示できます。
  • 例3:関係者別の視点を出させる:
    同じ課題について、社長・現場社員・顧客の立場ごとに感じている問題点を整理してください ⇒ 経営者の視点だけでなく、全体像を把握する視野の拡張が可能です。

■ 解決策を発想する3ステップ

課題が整理できたら、ChatGPTを使って次のようなプロセスで解決策を構想できます。

  • STEP 1|多面的に打ち手を出す:
    「この課題に対して、短期・中期・長期の対策を3つずつ挙げてください」⇒ 時間軸でアイデアを出し分ける
  • STEP 2|対策のメリット・デメリットを比較する:
    「その3つの打ち手を、コスト・実行可能性・効果の観点で比較してください」⇒ 優先順位や実行性が見えてくる
  • STEP 3|“仮実行”してみる(シミュレーション):
    「その対策を実行した場合に、社内外にどんな反応が起こりそうですか?」⇒ 想定される“反作用”まで検討でき、施策の磨き込みが進む

■ ChatGPTの“問い返し力”で考える質が高まる

ChatGPTの最大の強みは、答えを出すだけでなく、問い返してくることです。

たとえば、

  • この施策を行う上で、予算制約はありますか?
  • 対象は既存顧客でしょうか?新規市場でしょうか?
  • 評価指標は数値ですか?感覚ですか?

こうした“問い返し”により、経営者自身の思考の浅さや前提の曖昧さが浮き彫りになります。
つまり、ChatGPTとの対話自体が「メタ認知」になり、課題解決力のトレーニングになるのです。

■ 実際の現場で起きたChatGPT活用例

藤屋式ニッチトップ戦略の実践企業では、以下のような活用が成果につながりました。

  • 現場から「人が足りない」と言われていた課題をChatGPTと整理
    ⇒ 「業務設計が属人化していた」ことが真因と判明
  • 「営業の成果が出ない」原因を深掘り
    ⇒「ターゲット顧客のズレ」と「メッセージの弱さ」が発覚し、戦略変更
  • 経営層と現場の認識ズレをChatGPTで見える化
    ⇒ 対話の出発点が整い、意思疎通が円滑化

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■ 次回予告

次回は、
【第10回】ChatGPTとAIブランディングの活用法
をお届けします。

「選ばれる会社」になるために、AIを活用してブランドメッセージと価値訴求を再設計する視点を解説します。