ChatGPTで新規事業のビジネスアイデアを創出する方法【第6回】

~ 経営者が発想を広げ、実現性を高めるステップ ~

中小企業に特化した「ニッチトップ戦略」の専門家、藤屋伸二です。
「ChatGPTは便利だけど、経営にどう活かせばいいか分からない」
そんな声を、多くの中小企業経営者から聞きます。

私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略®」を組み合わせ、これまでに350社以上の中小企業の高収益化を支援してきました。
キャリアの割に支援した企業数が少ないのは、継続的に支援している企業様が多いからです。

また、これまでにドラッカー関連の書籍を45冊執筆し、累計発行部数は225.9万部を超えています。
その経験から見ても、今まさに経営者の右腕となり得る存在として注目しているのがChatGPTです。

ChatGPTはお寺の鐘のようなもので、突かなければ音は出ません。
つまり、ChatGPTは、1を10にするのは得意ですが、0を1にすることはできないのです。
ただし、自社の強みや状況をChatGPTに詳しく伝えると、新規事業の選択肢をたくさん提供してくれます。
ChatGPTで新規事業アイデアを創出するためには、まずはChatGPTに何らかのアイデアを提供することです。
しかし実際には、その“最初のアイデア”を考えること自体に多くの経営者が悩んでいます。

「新規事業を考えたいけど、いいアイデアが浮かばない」
中小企業の経営者から、よくこんな声を聞きます。

  • 今の主力事業だけでは将来が不安
  • 新しいことを始めたいが、何が現実的か分からない
  • ChatGPTを使っても、アイデアが浅くてピンとこない

その原因は、ChatGPTの使い方にあります。
「発想力」を補う使い方と、「実現性」を高める問いの設計ができていないのです。

この記事では、ChatGPTを活用して新規事業の発想を広げつつ、“実現可能な戦略案”として磨き上げるプロセスを、経営者目線で解説します。

本記事は、全10回シリーズ「ChatGPTを経営者の名参謀に育てる方法」の【第6回】です。
シリーズは各回ごとに完結していますが、【第1回】から読んでいただくと理解がより深まり、実践に活かしやすくなります。
第1回では「ChatGPTを経営者の戦略活用で差をつける5ステップ」を解説していますので、まだの方はぜひ併せてご覧ください。

■ 新規事業が行き詰まる典型的な理由

多くの中小企業が、新規事業開発で以下のような壁にぶつかります。

  • アイデアが出ない背景・要因:自社の延長線か、他社の模倣にとどまる
  • 面白そうだが現実味がない背景・要因:市場・リソース・採算性の検証が不足している
  • 社内の共感が得られない背景・要因:自社の強みや実績との接続があいまい

つまり、「発想の広げ方」と「現実への落とし込み方」の両方に課題があるのです。

ChatGPTは、この両方の課題に対して、“伴走型の発想パートナー”として機能します。

■ ChatGPTでアイデア発想を広げる3つの方法

ChatGPTで新規事業のアイデアを発想するとき、以下の3つの切り口を使うと効果的です。

  1. 強みの用途転用:現在高評価を得ている〇〇の強みを、別市場や別用途に活かせるアイデアを出してください
    ・・・「強み」は変えずに、「使い方」だけをずらす。
  2. 既存資源の組み合わせ:自社の技術Aと顧客接点Bを組み合わせて、別の市場で使えるサービスを提案してください
    ・・・新しい要素を追加せずに、組み合わせだけで新規性を生む。
  3. ニッチ需要の発見:製品Aを“今は顧客が気づいていない”用途に使えそうな市場はありますか?
    ・・・潜在ニーズを“意味の再定義(意味シフト)”で発掘する。

これらの問いは、ChatGPTに「思考の方向性」を与え、発想の飛躍を促します。

■ アイデアの実現性を評価するためのフレームワーク

面白いアイデアが出ても、「それで儲かるのか?」「自社にできるのか?」という検証を怠ると、実行されません。

以下の4観点でChatGPTに問い直すことで、実現可能性が高まります。

  1. 市場性:このアイデアに需要がある市場・業種は?
  2. 儲け方:このビジネスモデルで利益率を高めるには?
  3. 自社適合性:このアイデアは自社の◯◯(強み/資源)とどう接続できるか?
  4. 競合優位性:この事業が他社と差別化されるポイントは?

このように“再度、ChatGPTに問い直す”プロセスを経ることで、構想が戦略へと進化します。

■ アイデアを経営戦略に落とし込むステップ

ChatGPTと新規事業アイデアを構想したら、次は社内で実行に移すための設計が必要です。

以下のステップで「構想→戦略→実行」へと進めていきます。

  1. アイデアの骨子整理(ChatGPTと要素分解)
  2. 収益モデルと収支試算の仮設定
  3. 対象市場と初期ターゲットの明確化
  4. 自社の強み
  5. 経営資源との接続点の明示
  6. 段階的な実行プラン(試験販売→本格展開)

このプロセスも、ChatGPTに逐一問いながら検討できます。

■ 成功事例に学ぶChatGPT活用のポイント

藤屋式ニッチトップ戦略®の実践企業では、以下のような新規事業開発がChatGPTを通じて進みました。

  • 技術資産を「介護業界向け試作」に転用し、業界特化型ビジネスへ
  • 無償提供していた付加サービスを、ChatGPTで価値を言語化 → 商品化
  • 特定の納品スピードを武器に、「短納期特化型サプライヤー」として新市場参入

いずれも、「強みを活かし、意味を再定義し、戦略的に転用する」ための問いをChatGPTに投げ続けた結果です。

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■ 次回予告

次回は、
【第7回】ChatGPTで競合分析と市場調査を効率化する方法|差別化戦略を見つけるステップ
をお届けします。 戦略構想の起点となる「市場理解と競合把握」に、ChatGPTをどう活かすかを実践的に解説します。