【第5回】ChatGPTへの質問力で経営を向上|生成AIで「問い」を研ぎ澄まし、戦略を加速する方法
中小企業に特化した「ニッチトップ戦略」の専門家、藤屋伸二です。
「ChatGPTは便利だけど、経営にどう活かせばいいか分からない」
そんな声を、多くの中小企業経営者から聞きます。
私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略®」を組み合わせ、これまでに350社以上の中小企業の高収益化を支援してきました。
キャリアの割に支援した企業数が少ないのは、継続的に支援している企業様が多いからです。
また、これまでにドラッカー関連の書籍を45冊執筆し、累計発行部数は225.9万部を超えています。
そんな私のもとにも、よくこんな相談が届きます。
「ChatGPTに経営の相談をしても、どこかで聞いたような当たり前の答えしか返ってこない」
実はそれは、ChatGPTの性能の問題ではありません。
原因は、「問いの質」にあります。
生成AIは、どのような問いを投げるか、つまりプロンプト次第で、能力が最大にも最小にもなる存在です。
ChatGPTは、お寺の鐘のようなものです。
小さく突けば小さく響き、大きく突けば大きく響く。
一般的な質問をすれば一般的な答えが返ってきますが、的を射た質問をすれば、驚くほど深い洞察を返してくれます。
今回は、ChatGPTを「戦略参謀」として育てるうえで欠かせない「質問力=経営者のための問いの技術」を、具体的な事例とともに解説します。
本記事は、全10回シリーズ「ChatGPTを経営者の名参謀に育てる方法」の【第5回】です。
シリーズは各回ごとに完結していますが、【第1回】から読んでいただくと理解がより深まり、実践に活かしやすくなります。
第1回では「ChatGPTを経営者の戦略活用で差をつける5ステップ」を解説していますので、まだの方はぜひ併せてご覧ください。
■「ChatGPTに質問しても、浅い答えばかり…」と感じていませんか?
経営に役立つ視点やアイデアを期待してChatGPTに相談したのに、返ってきた答えが「どこかで聞いたような当たり前のこと」だった。
そんな経験はありませんか?
その原因は、ChatGPTの性能不足ではなく、「問いの質」にあります。
生成AIは、どのような問いを投げるか=プロンプト次第で能力を最大限にも、最小限にもする存在です。
今回は、ChatGPTを「戦略参謀」として育てるうえで欠かせない“質問力”を、経営者の視点で徹底解説します。
■なぜ経営者は“問いの力”を磨く必要があるのか?
ドラッカーは「正しい答えは、正しい問いからしか得られない」と言いました。
ChatGPTもまったく同じです。質問が曖昧であれば、答えも曖昧になります。
経営における意思決定・戦略構想・事業展開には、「考える力」が必要です。
そして、考える力の原点は「問いを立てる力=質問力」にあります。
生成AI時代の今、問いを他人任せにする経営者は、AIを使いこなせません。
逆に、「良い問いを立てる力」こそが、経営者の武器になるのです。
■ChatGPTに効く問い/効かない問いの違い
ChatGPTに同じ内容を聞いたつもりでも、問いの構造によって、出力の深さがまったく異なります。
❌ 効かない問いの例
- うちの会社をよくする方法は?
- 最近のマーケティングトレンドを教えて
- この商品の強みって何ですか?
⇒ これでは、抽象的すぎて、凡庸な一般論しか出てきません。
✅ 効く問いの例
- 中小のBtoB製造業が、既存の納品スピードを“価値訴求”に変えるメッセージ案を3つ提案してください
- 40代女性がメイン顧客である◯◯製品の販売戦略について、現状課題を3C分析で整理してください
- 売上5億・社員30名・関東圏展開という前提で、ChatGPTを使った顧客分析手法を提案してください
⇒ このように、条件を明示し、目的が明確な問いには、戦略的な答えが返ってきます。
■ 経営課題を深める3つの「問いの型」
質問力を高めるには、問いの「型」を使うと便利です。以下は、藤屋式で実践している3つの型です。
◆ 型①【仮説検証型】:◯◯という仮説を立てたが、他に可能性はあるか?
⇒ 自分の思考の“盲点”を発見できる。
◆ 型②【比較対比型】:A案とB案のリスクとリターンを比較し、意思決定の観点で整理してください。
⇒ 複数選択肢の中から、納得感のある判断を導ける。
◆ 型③【強み転用型】:・現在高評価を得ているAサービスの“強み”を、異業種に転用する可能性を考えてください。
⇒ 事業展開や用途シフトの検討に最適。
これらの型を使うことで、ChatGPTのアウトプットは“表面的な答え”から“構造的な提案”へと変わります。
■ 良い問いが戦略を加速させる理由
なぜ「良い問い」が重要なのか?
それは、良い問いが以下のような経営の思考プロセスを引き出すからです。
- 現状把握:抽象的な不安 ⇒ 具体的な課題の言語化
- 仮説構築:思いつき ⇒ 構造的な戦略案の提示
- 決断・行動設計:モヤモヤ ⇒ 優先順位と行動の明確化
ChatGPTは、良い問いに対して“考えるパートナー”として機能します。
経営者自身が問いを磨くことで、戦略構想が加速し、右腕としてのAIが本領を発揮するのです。
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◆ 次回予告
次回は、
「【第6回】ChatGPTで新規事業アイデアを創出する方法|経営者が発想を広げ実現性を高めるステップ」
をお届けします。
戦略的にChatGPTを活用して、実現性のある事業アイデアを形にする具体的プロセスをご紹介します。


