【第2回】ChatGPTプロンプトの使い方  — 壁打ちから戦略活用まで徹底解説

~「質問力」が経営の未来を変える~

中小企業に特化した「ニッチトップ戦略」の専門家、藤屋伸二です。

私はこれまで「ドラッカーの経営学」と「ニッチトップ戦略®」を組み合わせ、多くの中小企業の高収益化を支援してきました。
また、ドラッカー関連の書籍を45冊執筆し、累計発行部数は225.9万部を超えています。

その経験から見ても、今まさに経営者の右腕となり得る存在として注目しているのがChatGPTです。

そんなChatGPTですが、「質問しても、ピンとくる答えが返ってこない」、そんな経験はありませんか?

ChatGPTに「うちの新規事業を考えてほしい」と頼んでも、出てきた答えはどこかで見たような内容ばかり。

「期待外れだった」と感じた方も多いのではないでしょうか。

実はそれは、ChatGPTの性能の限界ではなく、プロンプト(問い方)の設計に原因があるケースがほとんどです。

この記事では、その土台となる 「問い方=プロンプト」の技術 を、経営者の視点から整理していきます。

最後まで読むことで、ChatGPTから「的外れな答え」ではなく、戦略の壁打ち役として使える答えを引き出すための具体的なプロンプト設計法が分かります。

本記事は、全10回シリーズ「ChatGPTを経営者の名参謀に育てる方法」の【第2回】です。

シリーズは各回ごとに完結していますが、【第1回】から読んでいただくと理解がより深まり、実践に活かしやすくなります。

第1回では「ChatGPTを経営者の戦略活用で差をつける5ステップ」を解説していますので、まだの方はぜひ併せてご覧ください。

なぜプロンプトの質が経営活用を左右するのか?

ChatGPTの出力は、入力された質問(プロンプト)によって大きく左右されます。
つまり、「どんな質問をするか」で得られる答えの深さと質が決まるのです。

たとえば、以下のような違いを見てください:

NG例)新しい事業のアイデアをください ⇒ どこかで見たような一般的な提案が並ぶ。

OK例)40代女性をメインターゲットにした、既存事業の技術を活かせる“再利用型”新規事業アイデアを、3つ挙げてください ⇒ 明確な条件設定がされており、自社文脈に近い仮説が返ってくる。

ChatGPTを右腕に育てるには、このように、「質問力=プロンプト力」を鍛えることが不可欠です。

■ChatGPTプロンプトの基本ルール

以下の3つの原則を押さえておくことで、経営者の質問は格段に“刺さる”ようになります。

【ルール①】目的を明確にする

⇒「何が知りたいのか」「何に使うのか」を冒頭で伝える

例:「◯◯の経営判断に使いたいので、△△について教えてください」

【ルール②】条件・制約を具体的に伝える

⇒「誰に向けたものか」「どの地域・業界か」などを入れる

例:「従業員50名の食品製造業を想定して」

【ルール③】出力形式を指定する

⇒「表でまとめて」「箇条書きで」など、答えやすく整理してもらう

例:「分析結果を3点に要約し、表形式で出力してください」

■経営者に効く「壁打ちプロンプト」からの脱却

多くの経営者がやりがちな使い方が、「壁打ち的プロンプト」です。

例:「うちの課題って何があると思いますか?」

このような抽象的な問いでは、ChatGPTの出力もぼやけてしまいます。

そこで大切なのが、「壁打ちを超える問い=仮説検証型プロンプト」です。

■戦略思考を引き出すプロンプトの型3選

①【深掘り型】

「◯◯という課題があると仮定した場合、原因は何が考えられますか?」

→ 問題構造の見える化に効果あり。

②【対比型】

「A案とB案があるが、リスクとメリットを比較して教えてください」

→ 選択肢の意思決定に最適。

③【転用型】

「◯◯の強みを別の市場に応用するには、どんな可能性がありますか?」

→ 新規事業・用途開発に使える。

このように問いを工夫すれば、ChatGPTは単なる壁打ち相手ではなく、“思考を補完する戦略参謀”として機能し始めます。

■成功する経営者が実践しているプロンプト活用法

実際に、藤屋式ニッチトップ戦略®を導入している企業の経営者たちは、以下のような形でChatGPTを活用しています。

・営業がうまくいかない原因と打ち手を、競合・市場・自社の視点で整理させる

・製品Aの強みを再定義させ、マーケティングメッセージを3案つくらせる

・ドラッカーの“問い”に基づいた仮説をChatGPTと一緒に検証する

彼らに共通するのは、プロンプトが“経営の問い”と接続していることです。
つまり、「戦略思考を支える道具」としてプロンプトを使いこなしているのです。

■【案内】体験セミナーでプロンプト設計を体験する

この記事で紹介したプロンプトの考え方は、実践して初めて身につきます。

現在開催している90分セミナーでは、実際にChatGPTに経営情報を提供しながら、プロンプトをその場で改善・洗練していきます。

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◾️次回予告

次回は、

【第3回】生成AIを経営戦略に活かす方法|経営者のための活用術と成果を出す3つの見直しポイント

をお届けします。

「成果が出ない理由」を構造的にひも解き、改善ポイントを提案します。お楽しみに。