独自化と差別化

ドラッカーのニッチ戦略とは

ドラッカーは、ニッチ戦略を、「誰からもマネされることも、マネしようと思われることもない戦略」という意味の定義をしています。

つまり、他社から「マネ(追随)してもつまらないから、やめておこう」と思われるような違い(競争排除)を打ち出せばよいのです。あるいは、「マネしたくても出来ないよね!」というレベル(競争優位)まで高めるのです。そう思わせるには、2つの方法があります。

独自化を図る

独自化を打ち出すための違いは、「一見、非合理に思われること」が重要です。つまり、業界の常識から外れたことをするのです。そうすれば、他社は「バカバカしいので、放っておこう」と思ってくれます。

たとえば、複数の会社から下請けしているメーカー、あるいは、部品を供給している会社が、「商品を標準化する」と言ったら、「何をバカな!」と思われるでしょう。元請会社の仕様に応えるのが下請けメーカーの宿命だからです。あるいは、部品メーカーの役割だからです。

しかし、その部品に元請会社や発注先の競争優位性の要素はなく、かつ、標準品を採用してくれたら、コストが劇的に下がり、不良品率が劇的に下がり、さらに、納期を劇的に短縮してくれるとしたら、どうでしょう。

しかも、これを新商品の設計前に提案してくれたら受け入れる会社も出てくるのではないでしょうか。これを、手順を踏んで実践し、業績を飛躍的に伸ばしたのが、かつてのマブチモーターです。

業界の常識に反した同社のやり方をマネする会社は出てきませんでしたので、同社は、独自化の仕組み(ビジネス・モデル)を築くことができました。

ちなみに、同社がこの仕組みを考えたのは、大企業になる前の話です。

差別化を図る

独自化が特徴の違いを図るのに対して、差別化はレベルの違いを図るものです。

やっていることの種類は他社と違わないけれど、やっているレベルが他社より優っているのです。つまり、組織能力の高さを発揮して、他社よりも優れたものを創り出す、あるいは、販売します。トヨタなどはその典型でしょう。

独自化は戦略志向であり、差別化は組織能力志向とも言い換えることができます。さて、あなたは、どちらをめざして儲かる仕組みをつくりますか?

両方をめざすのがよいのですが、同時に実現することは無理でしょう。だったらまず、独自化の程度を引き上げてから、組織能力を高めていく。

反対に、組織能力をさらに高めてから、他社に放っておいてもらえる領域(ポジショニング)に入っていく。

どちらにしても高収益事業になりますので、ドラッカーのニッチ戦略は、中小企業にお勧めの戦略だと言えるのです。

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