スイッチング高コスト型ニッチ戦略

他社への切り替えが高コストになる戦略

これは、購入先や商品を、他の会社や店、商品に切り替えようとするときに、経済的・物理的・心理的に大きな負担がかかるようになる仕組みをつくる方法です。

たとえば、趣味で一眼レフのカメラを買う人は、交換レンズも複数揃えるようになります。しかし、交換レンズは、自社のカメラのボディにしか合わない設計になっています。

ですから、カメラ本体を他のメーカーに変えようすれば、交換レンズもすべて買い直さなければならなくなります。

経済的なスイッチング高コスト型ニッチ戦略

そのため、カメラ本体を変えれば、すべての交換レンズも買い直さなければならなくなり、多額の費用を要します。

そうなると、一度、カメラを購入すると、ずっとそのメーカーのカメラを使うようになります。これが「経済的なスイッチング高コスト型ニッチ戦略」です。

物理的なスイッチング高コスト型ニッチ戦略

書類を整理するためのファイルは、同じもので揃えたほうが見栄えもよいし、整理しやすいものです。

ですから、よほど使い勝手が悪くないかぎり、同じメーカーのものを使い続けることになります。そこに目を付けたのがキングジムのファイルです。

それが「物理的なスイッチング高コスト型ニッチ戦略」です。

心理的なスイッチング高コスト型ニッチ戦略

店などで馴染み客になると、好みを覚えてもらえ、いちいち注文しなくても、好みのようにしてくれます。

他の店に変えると、また、一から覚えてもらわなければならないのが面倒で、行きつけの店は変えづらいものです。

理容室などは、その典型でしょう。これが「心理的なスイッチング高コスト型ニッチ戦略」です。

他社のスイッチング高コストを攻める

これらとは逆に、スイッチングコストが高いと思われているものでも、実際は、ほとんど影響がない商品やサービスもあります。スイッチングが高コストという誤解を解くとビジネス・チャンスになることもあるのです。

例えば、税理士事務所がそうです。不親切で専門知識もあまりない税理士事務所もたくさんありますが、他の税理士事務所に切り替えると、不利益なるという漠然とした恐怖心から、その税理士事務所を使い続けることがあります。

しかし、決算を切り替え時期にすると、困ることはほとんどありません。そもそも、変更したくなるような税理士事務所が、困るようなデータや情報を持っているはずがないのです。

新たに依頼する税理士事務所が優秀であれば、スイッチングは「低コスト」「ノーコスト」で済みます。