特定ニーズ対応型ニッチ戦略

1つのニーズに他社より上手に対応する

いくつもの特徴よりも、たった1つの特徴のほうに価値がある場合もあります。それに応えるのが「特定ニーズ対応型ニッチ戦略」です。

例えば、オフィスで使うパソコンを選ぶときは、メモリーの大きさやスピードが基準になります。

しかし、いつも持ち運ぶパソコンは、落としても壊れにくいほうがよいですね。そこには、オフィスで使用するより優先順位が高いニーズがあります。

そのニーズに応えたのが、パナソニック製の出張専用のパソコン『レッツ・ノート』です。

レッツ・ノートは、70cmの高さから落としても壊れない頑丈さが「売り」です。私が使っているノートパソコンはレッツ・ノートですが、実際、それ以上の高さから落としても壊れませんでした。

一度、買って間もないプロジェクターを落として壊した苦い経験がある私にとって、落としても壊れないという特徴は、たいへんな魅力でした。

複数の特徴を組み合わせて特定ニーズに対応する

愛知県犬山市の株式会社近藤鉄工所(近藤孝徳社長、従業員18名)は、中間サイズの金属加工に特化しています。

小さな金属加工は多くの町工場で対応できます。反対に大型の金属加工は特定の工場で対応しています。

しかし、中間サイズの金属加工は、大型の金属加工工場で対応しているのですが、加工料は大型サイズと同じです。

中間サイズの料金を設定した工場は少ないので、中間サイズの金属加工の絶対数は少ない(ニッチ)ながらも、中小企業の同社がやっていける市場規模は十分にあります。

また、丸物の金属加工だけを依頼できる工場や、角物だけの金属加工を依頼できる工場は多いのですが、丸物と角物を同時に依頼できる工場は多くありません。同社は、両方を加工できる設備をもっています。

さらに、同業他社が嫌う素材、例えば、ステンレス素材、鋳物、溶接済みの素材の加工をしてもらえる工場も多くありません。とにかく、面倒くさいからです。しかし、同社はその加工技術をもっています。

つまり、(1)中間サイズの金属加工、(2)丸物・角物を両方できる金属加工、(3)嫌われ素材の金属加工の、それぞれに対応している工場は多少あるのですが、3つのニーズをひとつの工場で対応しているところはかぎりなく少ないのです。

つまり、同社は、それら3つの特定ニーズに対応できる極めて稀な鉄工所なのです。

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