ドラッカーの視点:流通のアンバランス

販売にも選択と集中が必要

『80:20の法則』(パレートの法則ともいう)というのがあります。自然発生的や時系列的に漫然と販売していたのでは、効果・効率など術もありません。

流通活動に必要なのは、分析に基づくコスト・パフォーマンスに沿った活動の見直しです。ドラッカーのいう「選択と集中」は、こうした日常業務にも活かすことができます。

事例:コスト・パフォーマンスの低い取引先は訪問しない

ある婦人服の卸業者は、取引先が500社を超えていました。しかし、利益をもたらす取引先は、全体の20%にあたる100社程度にすぎませんでした。

しかも、利益をもたらさない80%の取引先は、地方に点在していたため、販売効率も悪かったのです。

そのうえ、支払代金の遅延、倒産による債権の不良化などの問題も、これら400社のなかから発生していました。

そこで、一定の取引基準を設け、それを下回る場合は、営業パーソンの訪問活動を中止し、商品配送を有料化することにしました。

このルールを適用したときは、「売上げが落ちる」と営業パーソンからの反対の大合唱が起こったのですが、当時の社長が「業績が落ちたら責任は俺が取る」と言って押し切りました。

そのかわり、新設した1,000㎡ほどのショールームに来てもらうことを奨励し、ショールームでのお買い上げは5%値引きすることにしました。また、お昼時には、ちょっと贅沢な昼食を出しました。

その結果、400社合計の売上高は、訪問販売時よりも大幅にアップしました。そのうえ、営業パーソンは、新規開拓のための時間を捻出できるようになったため、営業パーソン一人当たりの生産性(コスト・パフォーマンス)は大幅にアップしたのです。

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