ドラッカーの視点:市場の経済性の弱み

顧客も事業者も損をしている

顧客も事業者も共に損をするなんて、「そんなバカなことをするはずがない!」と思うかもしれません。しかし、これがビジネスの実情です。

言われてみればその通り。これを指摘するのがドラッカーの凄いところです。

事例1:スーパーマーケット

スーパーマーケットなどで、肉を美味しくみせるためのプラスチックの白いトレイ。買って帰り、調理をはじめると有料のゴミに変わります。その単価は10円から20円はするそうです。

このトレイは、おいしそうに見えることを消費者が望み、それに応える形で小売業者がコストをかけているから使用しています。

もし、これがビニール袋ですむならば、不要になった費用分を折半した場合、消費者は5円~10円安く買え、小売業者は5円~10円コストを削減することができます。

それにもかかわらず、消費者も小売業者も損になることをやり続けているのです。なんと、バカげたことでしょう。

そんな常識を打ち破ったのが関東を中心に店舗展開しているオーケーストアです。経営者は、セコムの創業者飯田亮さんのお兄さん、飯田勧さんです。ここでは、白いトレイを使わずに、ビニール袋で陳列しています。商品の品質に自信があり、それを顧客も認めているので、ムダなコストをかける必要がないというわけです。

事例2:雨漏り補修工事

別の事例ですが、原因の調査費を無料にしているのが雨漏り補修工事の業界です。その調査コストは、(1)補修工事の手抜き、(2)低品質の資材使用、(3)施工業者の利益低減でまかなっています。これも双方にとってマイナス以外の何ものでもありません。

雨漏り110番グループは、しっかりした雨漏り補修工事をするために、雨漏り調査を5万円~10万円の有料にしています。ですから、徹底した原因究明ができます。
それに基づいて補修工事をすれば、顧客は雨漏りが止まり、補修業者は利益を確保でき、双方にとってプラスになります。しかし、このようなビジネス・モデルの雨漏り補修業者はほかにはありません。

これらの事例・考え方は、あなたのビジネスに応用できないでしょうか。