すでに起こった未来:人口構造の変化

必要は進化の母

ドラッカーは、「すでに起こった未来」が発生する分野を5つあげています。その第1番目が「人口構造の変化」です。

たとえば、今年生まれた人たちが、就労年齢に到達するまで、半数近くは18年、残りの半数は20年から22年かかります。つまり、労働市場に影響が出るまで、20年前後かかることになります。

世界の先頭を走って少子化が進む日本で、ロボットが市場シェアトップなのは偶然ではありません。基本的なロボット技術は海外からの輸入です。しかし、労働力不足に直面するという事態を最初に経験する日本が、必要に駆られてロボットの開発を急いだのです。これなど、人口構造の変化が産業に与えた大きな影響だと言えるでしょう。

人口構造の変化を利用する

また、市場から見れば、乳児関連はすぐに影響が出ますが、幼児関連は3年、学童では6年、社会人になるまでには18年から22年かかります。つまり、人口構造の変化による自分の事業への影響は、リードタイム(物事が起こってから実現するまでの期間)まで分かるのです。

いずれにしても、人口構造の変化が市場、経済、政治、社会に与える影響は計り知れません。これらの変化は既存の市場や産業構造に多大な影響を与えますが、そのチャンスや脅威に備える期間は十分にあります。

しかし、備える期間が十分にあるためか、ほとんどの人は、知っているのに手を打とうとしません。それがまた、「人口構造の変化」がビジネス・チャンスになりえる理由でもあるのです。