ニッチ市場を見つける着眼点:高度の技術を要する分野に取り組む

小さな市場を対象にした独自能力

他社にマネできない技能で、他社が追随したくない市場規模の商品を手がけるとニッチ戦略が成立します。

もっとも、それが予期せぬ成功で、予想を上回る業績をあげるようになると、ニッチ市場から一般市場の様変わりし、ブルーオーシャンの市場から、過当競争のレッドオーシャンの市場に移行していきます。

そのときには、ニーズをさらに絞り込みニッチ市場に留まるか、差別化戦略に変更するかの対応を迫られることになります。

事例その1

注射は痛いものです。しかし、蚊に刺されても痛くありません。両者の違いは針の太さにあります。つまり、針を細くすれば注射も痛くなくなるのです。しかし、注射針を痛くなくなるまで細くする技術をもっている企業はほとんどありませんでした。仮に、そのための技術開発をしたところで、それに見合う市場規模はありません。だから、大企業は対応しませんでした。

事実、痛くない注射針を企画したテルモも自社では開発せず、アウトソーシング先を探しました。

それに応えられたのは、岡野工業株式会社(東京都墨田区、従業員6名)だけでした。そのため、同社は、痛くない注射針の分野で先駆者となれたのです。高度な技術も、「開発できる能力があること」が大切なのではなく、「実際に開発して儲かること」が大切なのです。

その岡野工業に発注した大企業のテルモも、この商品では儲かっています。なお、これは、大企業と中小企業が連携したモデルケースでもあります。

大企業には、頭の良い若い社員も多くいるので、アイデアを出してもらい、それを中小企業が実用化するという連携が計れそうですね。

事例その2

独特の語り調で長崎県佐世保市の町の家電屋を日本有数の通販会社に成長させたジャパネットたかたの高田明さんも、独自能力の持ち主でした。

他の家電販売店は、商品の機能や品質を訴求していたのですが、彼は、当初はラジオというニッチな流通経路で、1回につき1つの商品を、その商品を買って得られる効果や効用を訴求するという、ニッチな販売方法で売っていました。

これこそ、ドラッカーの教えである「顧客は商品そのものを買っているのではない。商品から得られる満足を買っている」の実践です。それを上手に実践できることが、彼の独自能力でした。彼は天才的なマーケターだったと思います。

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