コラム:ドラッカーだけ学びなさい

なぜ、ドラッカーだけ学ぶのか

自然発生的にバラバラに発展してきた経営に関する理論を、「マネジメント」という形で体系化したのがドラッカーである。だから、人々は、彼のことを「マネジメントの父」と呼ぶ。
その後、さまざまな経営の分野で優れた理論が展開されているが、いずれも、戦略だけ、マーケティングだけ、組織論だけ、イノベーションだけというふうに、経営の一部を対象にしたものにすぎない。
経営はシステム(互いに関連し合う仕組み)だから、部分的に良くても全体的に整合性がとれていなければ有効な仕組みにならない。
企業経営に活かすために経営を学ぶのであれば、つまり、経営者が経営に活かすために理論を学ぶのであれば、一つの考えに基づき体系的に書かれているドラッカーだけを学んだ方が良い。

ドラッカーを学ぶだけでも大変だ

「ドラッカーだけ学びなさい」と言っても、実践するために学ぶのであれば、網羅的に書かれているため、やるべきことは膨大になる。
とても、他の経営書を読んでいるような時間的な余裕はなくなるはずだ。要するに、学んだことを実行することを前提にすればドラッカーだけで手一杯になる。
だから、「ドラッカーだけ学びなさい」とお勧めするのだ。

ドラッカーは何から読めば良いか

まず、「現代の経営」である。経営を網羅しているので繰り返し読めば経営がわかってくる。なお、「マネジメント」は1,500ページ以上で分厚すぎて、読むことに苦痛を伴う。また、中小企業に必要のないことも多く書かれている。
戦略を学びたければ「創造する経営者」が良い。戦略の何たるかが理解できる。
マーケティングとイノベーションを学びたければ「イノベーションを企業家精神」がよい。イノベーションをテーマにしているが、マーケティングを前提としたイノベーションなので、これ1冊で両方分かる。
いずれの本も、事例集と言っていいくらい事例が出てくる。3冊の本を丸暗記するくらいに読むと業績が飛躍する。「そんなことしても大丈夫?」と人が危ぶむことでも、ドラッカー本に出てくる事例を模倣することで、自信を持って取り組めるようになるからだ。