001 藤屋がドラッカーに打ち込むようになったきっかけ

自称『ドラコン藤屋』の藤屋伸二です。ドラコン藤屋とは、「ドラッカー・コンサルタントの藤屋伸二」の略称である。

 

今では、ドラッカー関連の著書・監修書の累計が200万部を超えており、雑誌への寄稿、セミナーなども行っていることから、「ドラッカーを日本一わかりやすく伝える男」と呼んで頂けるようになっている。そうなったきっかけは、極めて単純である。

1996年に経営コンサルタント事務所を創業。すでに、中小企業診断士を取得しており、翌年には社会保険労務士取得。しかし、コンサルティング対象が、中小企業診断士としての零細企業中心から、企業規模が大きくなるにつれ、中小企業診断士レベルの経営知識では対応しきれなくなっていった。

そこで、1998年から大学院に入り、経営学を学ぶ直すことにした。入学時の勉強テーマは組織文化。しかし、経営コンサルタントとしてのスキルアップの対象として、組織文化はあまりにも範囲が狭すぎた。そこで、入学して3カ月も経たないうちに、勉強のテーマを変更することにした。

新しい勉強テーマを探し求めていた数か月後の10月18日(書籍の裏表紙の内側に購入日を記載していた)、大型書店で手にしたのがドラッカーの代表作『現代の経営』(1954年)だった。その「はじめに」に次のような記述があった。

 

「本書『現代の経営』は、今日に至るも、経営学部の学生、経営管理者になろうとしている人たち、すでに経営管理者になっている人たちが、基本書としている唯一の本である。ある大銀行の会長は役員たちに対し、繰り返し、“マネジメントについて一冊だけ読むならば、『現代の経営』を読むように”といってくれている」

 

これを読んで、私は、「そうか、この本を1冊読めば経営がわかるようになるんだ!」と思った。なぜか、本当にそう思った。そして、改めて目次を読み、本文を拾い読みしてみると、確かに経営が体系的に書かれていた。「よし、修士論文のテーマはこれにしよう。コンサルティングにも役立ちそうだ!」

それから、ドラッカーの著書との格闘が始まった。当時の私の知的レベルからして、まちがいなく、難敵に立ち向かう格闘だったと思う。