008 企業の目的

ドラッカーの名言

企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。
企業の目的は、それぞれの企業の外にある。
事実、企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。
企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である。

ドラッカー名著集『現代の経営(上)』より

解説

人が欲求を持っているだけではビジネスになりません。それでは潜在需要の段階です。
その潜在需要に対して、企業が欲求を満たすための商品やサービスを提案し、取引が現実のものになったとき、顧客が生まれ、その顧客の集まりとしての市場が生まれます。
つまり、市場は、神様や自然の法則で生まれるものではなく、企業の努力によって創り出されるものです。
だから、市場や顧客を創り出すことが企業の目的になるのです。

とは言っても、企業が「何屋」になるかは、商品の購入決定権をもつ顧客が決めます。いくら企業が「これを売りたい」と言っても、顧客が買わなければその事業を続けることはできません。
「買う」という形で、モノを商品に変えてくれるのは顧客だけです。
ですから、企業が価値と考えるものが重要なのではありません。顧客が金を支払ってもいいと考える価値が重要なのです。

たとえば、病院の医師が、「金儲けしたい」と考えようと、「病人を救って社会に貢献したい」と考えようと、患者には何の影響もありません。
患者に関係あるのは、「どのような病気を」「どのように直してくれるのか」「その腕前はどうか」「費用はどのくらいかかるのか」だけです。
これが企業の目的と、経営する動機を区別しなければならない理由なのです。

中小企業での活用法

社長が勉強している中小企業には経営理念があります。しかし、事業目的=コンセプト=戦略を明確に打ち出している会社はほとんどありません。
これは、事業の魅力が市場や顧客に伝わらない理由です。
顧客が企業の土台として貴方の会社を支えています。顧客だけが貴方の会社の雇用を維持してくれます。
社会が貴方の会社にヒト・モノ・カネを託しているのは、顧客に商品やサービスを提供させるためなのです。

顧客に価値を感じさせる商品やサービスを提供できなければ、つまり、顧客を創造できなければ、会社は倒産してしまいます。つまり、会社は、顧客を創造することで存続できます。
ですから、貴方の会社から買ってくれる顧客を創造することが会社の目的と考えましょう。
そう考えることで、はじめて心から顧客志向になることができます。

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