006 マネジメントの多様性

ドラッカーの名言

事業のマネジメント、経営管理者のマネジメント、人と仕事のマネジメントというマネジメントの3つの機能は、それぞれ別個に分析し、研究し、評価することができる。

しかも、それぞれの機能について現在と将来を区別することもできる。しかし、日常の仕事の中で、マネジメントがそれら3つの機能を別個に扱うことはできない。

また、現在のための意思決定と将来のための意思決定を区別することもできない。

ドラッカー名著集『現代の経営(上)』より

解説

3つのマネジメントのうち、どれが優先し、どれが一番、高度のノウハウを必要とするかを決めることはできません。

順番としては事業のマネジメントが最初にきます。それが会社の存在理由だからです。

しかし、管理者(組織)のマネジメントができなければ、小規模なものを除いて事業を動かすことはできません。

人と仕事のマネジメントが上手くできなくても、業績をあげることはできません。

つまり、順番と重要性は別問題ということなのですね。

3つのマネジメントの分析や議論は別々にできたとしても、3つに関わる仕事は同時に行わなければなりません。1つの意思決定に3つの仕事が含まれるのが経営の現実です。

そうした意味で、「マネジメント」とは、「事業」「経営管理者」「人と仕事」の3つについて考え、かつ、同時に実践しなければならない多目的の仕事や仕組みとなります。

中小企業での活用法

私たちは、勉強では3つのマネジメントを別の論理で別々に学び、実践の場では3つを同時(一緒)に動かしています。

それが、勉強と仕事が結びつかない、あるいは、部分的には最適になっていても、全体としては一貫性にかける経営になっている理由です。

私が、「ドラッカーだけ学びなさい」という理由もここにあります。学んでも仕事に活用できなければ、勉強は趣味や遊びと変わりないものになってしまいます。経営の勉強で基本を学び、業界や業務に必要な情報を収集して、自社や自分の仕事に肉付けしていくことです。

なかには、複数の勉強会に所属して忙しく飛び回っている人がいます。しかし、それだけ仕入れた情報を、どのように処理して自社の経営に取り入れているのか、私には想像もできません。

というのも、ドラッカーだけ学んでいる私は、ドラッカーの原理・原則を仕事に落とし込むだけで精一杯で、とても他の経営理論に取り組む時間的な余裕はありません。

もっとも、ドラッカーに取り組む前は、様々な経営理論に触れてきました。そうして、選択したのがドラッカーであり、この16年間は、ドラッカーに集中的に取り組んできた状態です。

学ばないと不安な気持ちはわかりますが、成果をあげるためには、貴方にも、きっとこのような選択と集中の考え方と行動が必要なのだろうと思います。